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イシノラボ/マスターズ店長の連載

第1弾 日本オーディオ史

第26回 スーパー・フィードフォワード回路の開発

スーパー・フィードフォワード回路の試作成功

高橋氏とT・S氏とで、考えた方式は次のようなものだった。

低域から可聴帯域くらいまでは、何とかNFBで特性の改善効果は実現できる。しかし、高域になると、NFB量をアンプの安定度から、ある程度、NFB量を減らす必要がある。一方、パワートランジスタの”ひずみvs周波数”は、高域になり、特に電流が増えてくると、ひずみを増してくる。また、負荷が低く(例えば4Ω以下)になってくると、高域ひずみは増えてくる。

このひずみを発生する箇所は主としてSEPP出力段であった。そこで、プリドライブ段から、ひずみ補正成分を取り出し、ちょうど、NFBの補償周波数特性でNFB量が少なくなる帯域、すなわち高域〜高周波帯域においてひずみを打ち消すような、エラーコレクションアンプを作って、時間的なタイミングもフィルター特性でぴったり合わせることで、ひずみを打ち消せることが、数値解析(伝達関数での数値解析)でも証明されてきた。計算式で実現可能と判断して、すぐ、試作機をAU―D907をベースに彼等は作った。ひずみ、とりわけ、スイッチイングひずみ(特に10kHz以上)は見事に消えていた。測定法も現在のように、高域を30kHz以下でカットして、低ひずみになるという、アンプにとって有利な方法ではなく、100kHz以上のフィルターにおいて、すばらしい効果を示したのであった。

ヒアリングの結果もすっきりして、見通しが良く、瑞々しいサウンドであった。すぐ、この成果は論文にまとめ、AES(アメリカプロオーディオ学会)に提出され、学会誌論文審査の結果、パスして、掲載された。また、パテントも日本、アメリカに出願し、パテントとして成立した(写真参照)。

スーパー・フィードフォワード回路の製品への組み込み

さて、オーディオビジネスとしてどうすべきかがテーマとなり、関連部門が集まって、知恵を絞った。その結果が“SUPER FEED FORWARD”というネーミングで、これまでのダイモンド差動回路にさらにパワー段のこの新回路を搭載するかたちで、次期新型アンプを商品化することになった。

この新技術はむしろ、オーディオの本場、アメリカで高く評価されて、現在でも、評判が良い。

この頃は、オーディオ全盛であった。他社は、擬似Aクラス回路が主体であって、動作条件が信号レベルによって変動する方式でその方式は、ひずみ特性は非常に良くなっると感じたが、肝心の音質に関する評価は否定的なコメントはなかったものの、割合と短期間で消えていった。

それではスーパー・フィードフォワード回路技術は、どうして、その後のサンスイアンプに継承されなかったのか?それは、次期回路技術がバランスアンプになったので、パワーステージアンプ回路が通常のアンプの倍になっり、スペース、コストでかなり困難になったからだと思う。NFB発明者、H・S・ブラック博士も「NFBとフィードフォワードを有機的に結びつけた回路技術」として、高く評価していただけに、残念な気もする。現在ではパテントの有効期間が切れているので、小規模ブランドでも良いから、どこかで、再度、採用して欲しい優れた技術であると思う。

次回はこの新技術をどう製品化したかを述べる予定です。


掲載する写真は高橋暹氏にご提供いただき、特別な掲載許可をいただいたものです。(無断転載は固くお断り致します。)

スーパー・フィードフォワード・システムの構成
スーパー・フィードフォワード・システムの構成

スーパー・フィードフォワード・システムのUSパテント(特許)概要
スーパー・フィードフォワード・システムのUSパテント(特許)概要

2007年5月15日掲載


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