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M-BF8030
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 店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。
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2016年のイシノラボはどうだったか?

明けましておめでとうございます。
年々、時の移ろいが早くなるのは加齢によるものでしょうか?
けれども、私は自分なりにもがいて、日々を過ごしていますが、これがストレスにはならず、生きがいになっているのかも知れません。

皆さんから見たら、我田引水、自己陶酔、手前みそと思えるでしょう!
マスターズブランドアンプとしてささやかな進歩と言うか、進展と言おうか、おずおずと書き出してみました。

2017年はどうなるか?それはこれから、準備を始めております。
そして、皆さん、まずは心身の健康を維持しつつ、日々を生きましょう。

Zバランスパワーアンプの進化

バランス増幅を達成し、次は、パワーステージはL/Rバランス電源構成、電圧増幅(プリドライブ・ステージと言う)は別電源、トータル3電源構成で、より、Zバランス回路は進化し、より、表現力豊かでパワフルサウンドとなってきました。

これまで、RCA入力については、いったん、RCA~バランス変換回路と通して、Zバランス回路入力に導いておりました。
いろいろ検討した結果、RCA入力においても、ダイレクトにZバランス回路に入力し、バランス信号入力時とまったく同様なバランス増幅をおこなうことができるようになりました。
プリアンプ、CDプレーヤーの出力がRCA出力で、バランス入力時と同じZバランス増幅のパフォーマンスが得られます。
アドバンストZバランス回路として、紹介しております。

Zバランスプリアンプの完成

フルバランスプリアンプ“MASTERS CA-888PZBシリーズ”として製品化

Zバランス・プリアンプができないものかと、ずっと考えておりました。かつて山水に在籍して、C-2301開発時、ラインアンプの方式について悩みました。
結局、ラインアンプは非反転アンプをHOT側、その出力を反転アンプに導き、COLD側として、商品化致しました。
それから、プリアンプのバランス増幅が気になりながら、山水からリタイヤ―し、それから、長い年月が流れました。
マスターズブランドのプリアンプとして、究極のローノイズ、低ひずみ、そして、優れたサウンドであるトランス式パッシブプリアンプに活路を見出し、多くの皆様に支持を頂いております。
その一方で、アクティブ素子プリアンプとして、Zバランス回路を搭載したアンプの検討を続けて参りました。
ようやく、Zバランス増幅プリアンプとして製品化でき、大好評をいただいております。そして、トランス式パッシブプリアンプにノイズ、低ひずみについてはかないませんが、Zバランスプリアンプの、アドバンストZバランスパワーアンプと組み合わせたときのサウンドパフォーマンスの気持ちよさは、驚きます。どうして、そうなるのかは分かりません。

私は以下のように考えています。
すなわち、私は、2016年、オーディオ誌にオーディオを味覚に例えて、“電気的特性は栄養価の表示のようなもので、そこからは味の良さは分からない。”と記述しました。確かに、現在のオーディオ技術では、電気的特性で音質の表現はほとんどできません。

さらに、ヘッドフォンのバランスドライブもそのままの回路構成でできます。
但し、Zバランスプリアンプの出力は純粋にバランス出力だけになるので、
Zバランスプリアンプ出力からアンバランス(RCA)出力を取り出すことはできません。
また、このプリアンプは、リーズナブル・プライスで製品化が可能となったと思っております。

ファインメットパッシブプリアンプ

ファインメットコア搭載トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-777BC/FM”,バランス型トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FBG/Pとして製品化

ファインメットコア材については、オーディオ誌“管球王国”で活躍しておられる“新さん”がその優秀性を広報して数年以上を経て、高級真空管アンプにトランスとして、良好な評判のようです。

マスターズとして、始まりは、2015年12月に、あるオーディオファンからのリクエストで何とか製品化ならないものかと言う問い合わせがありました。
私のほうはまったくファインメットコアを入手するあてがなく、このお話はそのままになってしまいました。
そのあと、いろいろと探したところ、タムラ製作所の事業所近くのコア加工会社と連絡が取れ、社長さんとお話したところ、タムラ製作所にコアを永年納入実績があったとのことでした。

コアサイズ等を検討し、ファインメットコアをカットコア形状に加工いただき、2016年1月にファインメットコアを2個、入手できました。さすがに、安くはありません。
当然、磁性材料としての電磁特性は最高と言えます。肝心のサウンド(音調)は明るく、パワフルでいて、細部の分離表現は見事です。大編成の音源で混濁するような気配は微塵も感じられません。
すでに、数名の方がお使いになっておられます。

パッシブプリアンプでヘッドフォンが聴ける!

すでにブログ「MASTERSのパッシブプリアンプでヘッドフォンが聴けます!」に記述したように、CA-999FBG/ACを購入なさった方からの報告に始まりました。まずは本当に聴けるのか?
本当に良いサウンドで聴けたのです!
次に、電気的特性で、使える特性が出ているのかを調べました。これもOKでした。
そこで、私のところにある視聴用パッシブプリアンプでいろいろテストし、2週間前には、ファインメットコアのトランス式パッシブプリアンプにゼンハイザー(150Ωインピーダンスのヘッドフォン)で聴いたところ、さらに、すっきりした、切れ味良いサウンドが楽しめました。
近々、ヘッドフォン端子付きファインメットコア搭載パッシブプリアンプを製品化しようと考えています。

多数個ケミコン効果

多くのアンプの電源部にはケミコンが使われています。ケミコンはその内部構造から、超高域まで、電源インピーダンスを低く保持するのは簡単ではありません。けれども、そこまで考慮しなくともアンプの動作は特に問題ありません。
けれども、そのケミコンにより、アンプのサウンドに影響を与えているのは事実です。

1979年代、オーディオ全盛時にはケミコンメーカーはケミコン、とりわけ、整流ケミコンのおおもとであるブロックケミコンのサウンド改善に熱心に取り組みました。
ニチコンは山水にオーバル(楕円)型ケミコンを提案してきました。その中身は、円柱状に巻いたケミコンユニットから太い電極端子(タブと言う)を数本引き出し、電気的に超高域まで等価電源インピーダンスが低くキープされるというものでした。AU-D907に採用され、好評を得ました。
また、ケミコンに詳しいオーディオ評論家、故 金子秀男さんは日立コンデンサ等のケミコンメーカーと共同で、高音質ケミコンの開発に取り組んでいました。その成果がAUREXをはじめとするオーディオブランドのアンプに一時、採用されました。
結果は悪くはなかったですが、コストがかさみ、1990年以降は尻つぼみになってしまいました。
ケミコンメーカーは、納入数が少ないオーディオ向けより、当時から発展してきたスイッチング電源用ハイリップルケミコンのニーズが爆発的に増えて、オーディオ用ケミコンの開発改良は、その時点で終焉を迎えたと言ってよいでしょう。
そして、驚異的なハイエッチング技術の開発により、ケミコンは飛躍的に小型・大容量化して、工業用電源への用途が大多数になりました。
この進歩は静電容量が取れるもののケミコンの抵抗成分は増えているのです。
それ以来、電源用ケミコンのオーディオ分野での進展はなくなったと言ってよいでしょう。

マスターズアンプでは、オーディオ全盛時のケミコンを在庫し、優先的に使ってきました。
そのようなとき、2016年7月、長時間聴いても疲れない、そしてサウンドが絶対混濁しない、ほぐれた感じのアンプを作って欲しいとのリクエストを受けました。
その注文した方の用途は、1日12時間以上使うジャズバーで、アナログレコードを主体にジャズをJBLスピーカーで流すとのことでした。
そこで、個別ケミコン(ぜいぜいφ35くらいまでの)を多数個、また、ブランド、容量を替えて、トータル24個でそのアンプの電源部を構成してみました。アンプの電源部はこれらのケミコンでいっぱいになりました。これらを並列接続して、電源部が完成しました。
もちろん、ケミコンだけでなく、超高域の低電源インピーダンスのキープにフィルムコンも並列に接続しました。
この状態で、長時間エージング後、聴いてみて、私はそのしなやかで、まったく混濁のないほぐれた音調には驚きました。
パワフルさを出すには大きなブロックケミコンは効果があるのはこれまでさんざん経験済みですが、この年になって、このようなシンプルなアプローチでの体験は新鮮でした。
また、安定化電源でこのアンプを動作させてみましたが、このような音調は再現できませんでした。
以後、マスターズアンプは、φ20~30程度のケミコンを置くスペースが少しでもあれば、多数個ケミコン電源構成を実践しております。

パーマロイOPTによるサウンド

限定数のパーマロイコアによる出力トランスは好評で、あと2台分を残すのみになりました。
何と言っても、断然のひずみの少なさは、電気特性がヒアリング結果と相関が高いということは明言できます。多くの真空管アンプに感じられるおおらかさよりも、楽器、ボーカル等のサウンドの細やかな表情が聴き取れます。
その意味から、朗々と耳から血が出るようなALTECサウンドにはあまり向かないと思います。
それよりも、B&W、KEFのようなヨーロッパのひずみの少ない、音響研究が進んだスピーカーに合いそうです。かつて、スピーカーは進歩が遅いと言われ続けてきましたが、近年のヨーロッパを中心として、スピーカーメーカーの研究、検討成果が製品に反映されていると思います。
特に、キャビネット形状、キャビネット内の定在波処理、キャビネットの振動防止処理などなど素晴らしいと思います。唯一の難点は価格が高いことです。¥100万以上出さないと、これらのスピーカーは買えない。
思わず、愚痴が出てしまいました。

パーマロイコアにより、出力トランスをうまく設計し、合致した真空管回路で真空管パワーアンプを作れば、これまでにない音調のアンプができます。
イシノラボでは、残り少ない限定出力トランスの後継トランスの開発に時間が少しかかるかもしれませんが、努力する方針です。

アクリルプレートケースの素晴らしさ

2016年はアンプ型番の変更、デザインの変更があり、少なからず、戸惑いを覚えた方もおられると思います。
大友デザイナーの優れた感性と工夫により、輝かしいフロントパネル、それに何度も研磨、塗装を施して作られたサイドウッドのケースが、マスターズアンプに採用されております。このケースを採用したアンプは、アンプ型番にG文字を入れております。
透明アクリルプレートでブラッシュアップされたフロント面がつややかで、美しく輝いております。
マスターズアンプのような小規模ブランドにおいては、このケース作りは大友デザイナーの手仕事により生み出されています。
オーディオは観て、触れる楽しみは、少なからず重要と思います。
まだ、まだ、名人、大友さんは健在です。
ちなみにメーター付きアンプをご覧ください。

MASTERS CA-707 custom
プリアンプ MASTERS CA-707 custom

MASTERS CA-707 custom
プリアンプ MASTERS CA-707 custom


1978年製“サンスイ AU-707”の修理

始まり

2週間前に、TELが鳴った。“千葉市に住んでいるものですが、AU-707を修理したい!“という内容でした。
以前、AU-D707を修理して、うまくそのサウンドは生き返りました。
それから、ずっと、動作しているようです。
今回は、同じデザインですが、1978年に製造年が遡ります。うまく、直るかどうか?特に、修理部品の入手に心配がありました。
お客様には、大分、年月が経っているので、保存状態が悪いと治らない場合もありますと、説明すると、部屋の中に置いていたので、保存状態は悪くないということでした。

持ち込み

2日後、修理依頼された方が車で、AU-707を運んできた。“若いころ(20才代)、やっと貯めて買ったオーディオは、アカイのデッキとAU-707でした!”と言うお話で、廃棄するには忍びなく、最近、世間がアナログレコードを取り上げる様になってきて、急に、アナログレコードを聴きたくなったそうです。“症状は?”と聞くと、“電源が入らない!”ということでした。
持ち込まれたAU-707は予想よりきれいな状態で、ボンネットを開けると、ほこりが少ない良好な状態でした。

修理

1次電源関係の故障

1次側の100V電源回路をチェックすると、導通がありません。電源ヒューズをとチェックすると、導通があります。まさかと思って、電源スイッチをONしても、導通がありません。電源スイッチの不具合です。交換が必要ですが、AU-707はレバースイッチで、現在、まったくと言ってよいくらい存在しません。まして、AU-707用は、他のAU-707から部品取りして、交換する以外ありません。在庫、部品箱をひっくり返して、探すと、やっと1個、見つかりました。
“しめた!”これで、電源が復旧すると、アンプのフロントパネルを外して、交換しました。電源スイッチのON/OFFで、ラッシュ電流が流れるのを軽減するために、修理する間はスライダックで電源電圧を上げてショックがでないように心がけました。また、電源ON/OFFのスパーク軽減に0.01μFのコンデンサを外して、新たに0.1μ+120Ωのスナバ回路を付けました。このほうが、効果があるのです。

プリアンプ回路の修理

次に、電源をONして、プロテクション用リレーがONするかどうかをチェックすると、これはONします。さらに、スピーカー端子、RCA端子にケーブルをつないで、発振器入力を加え、アンプ出力を診てみます。
リレーがONして、片側Rchの出力が出てきました。Lchは出ません。
どこから出力は途絶えているのかの探索です。
アンプを開けて、シールドカバーを外します。入力から、オーディオ信号の流れを追っていきます。まず、入力セレクターの接触をチェックします。これは、OKでしたが、念のため、切替操作を繰り返し、そして、接点復活剤を振りかけてさらに、動かして、接点をクリーニングします。
ようやく、信号がL/R揃って出てきました。これで良いわけではなく、出てきた信号のひずみ測定することが必要です。接触ひずみがあると、ひずみ率は0.5~0.8%も2次高調波を中心として悪化します。この部分はOKになりました。
次に、トーン/ラインアンプ部分のチェックです。マスターボリュームの入出力は、OKでしたが、マスターボリュームのクリーニングをおこなっておきました。
さらに追っていくと、ラインL側の出力レベルが不安定です。トランジスタの水分侵入による劣化が予測されるので、交換。さらに出力コンデンサも交換。プリント基板全体のパターン面を再ハンダ。今度は、ラインアンプとパワーアンプ間の接続部です。当時のプリメインアンプはプリアンプ部とパワーアンプ部とは分離されるのが常識でした。
この接続スイッチの接触が不具合、信号がパワーアンプ部に伝わりません。そこで、切替スイッチを経由せず、ダイレクトに信号が伝わるように接続を変更。これで、入力からパワーアンプ部の入力部まで、良好な動作となりました。

パワーアンプ回路/プロテクションリレー部の修理

最初からプロテクション回路は良好で、リレーはONします。さらに、DCオフセットは正常に変化して、調整可能です。けれども、経年劣化を考慮して、半固定ボリュームを交換、次に、アイドリング電流調整も正常ですが、これも、半固定ボリュームを交換。ありがたいことに、このサイズの半固定ボリュームはまだ、入手できるのが幸いです。近い将来、このサイズのものは無くなるでしょう。
これでうまく動作するかを考え、スピーカー端子からの信号をチェックしてみます。信号レベルがL/Rに2dB程度のばらつきがありました。
これはパワーアンプ部の不具合か、それともリレー以降の不具合だろうか?
また、ひずみ率を測定すると、0.8%もあります。
試みに、音楽を通して、聴いてみると、ややひずみが多い音です。これはリレーが原因と推測し、リレー交換することにしましたが、この大きなサイズで、プリント基板タイプのリレーは入手不可能です。そこで、現在使われるサイズで、接点性能に定評ある数少ない日本製に交換することにしました。AU-607/707の構造で問題点はここで、サービス性が良くないのです。
プロテクション部のプリント基板をやっと外し、リレー交換。
そこで、改めて、ひずみ率を測定すると、0.015%と、ほぼ発振器レベルにさがりました。これで修理は完了かと考え、エージング試験に取り掛かりました。けっこう、良い音です。ところが1時間後、RCHから、“バツッ”という瞬間的なノイズ!これではだめ!
少し、気持ちが下がって、パワーアンプ部のユニットをL/Rともに外し、不具合部を探すことは、NFBが掛かっているので、特定はできません。そこで、電圧増幅用トランジスタをすべて交換、ノイズを出しやすいとされるツエナーダイオードも交換。位相補償用セラミックコンデンサーもすべて交換。
さらに、プリント基板の部品穴部分をハンダ吸い取り器でハンダを取り除き、再ハンダ付け、ここまでやれば、まずは治るはずと、気持ちを持ち直して、組み立て、音を出すと良好、エージングテストも3時間経過でOK。

フォノイコライザーのチェックと修理

お客様はアナログレコードをこれから、また聴きたいということでした。フォノイコライザーは幸い、チェックしてみると問題ありません。けれども、念のため、出力コンデンサとトランジスタを交換、フォノ切替スイッチをクリーニング。これで、良い音でアナログレコードが鳴るはずです。
アナログレコードプレーヤーを接続、カートリッジをエンパイア4000DIIIにして、聴き始めます。アナログレコードはCDのようなぎすぎすしたところがありません。やはり、CDは小音量時、ビット数が減少するので、サウンドが荒くなるのでしょう。いろいろ聴いて、サンサーンスの“交響曲NO.3”
TERACレコードで聴きます。パイプオルガンの地響きするサウンドはもの凄く、さすが、TERACの録音を素晴らしいと再認識しました。
最後に、底板、ボンネット等を取り付けて、フロントパネルをきれいに拭いて、また、エージングを6時間おこない、修理終了となりました。

修理完了

これで、製造後、38年のアンプが生き返りました。私自身、開発設計に取り組んだ関わり合いのある最初のアンプ。大友デザイナーのエレガントなデザインを眺めて、感慨に浸りました。


2016年を迎えて~昨今のオーディオ事情とマスターズアンプのこと~

皆さまのおかげで、2016年を迎えることができました。
2016年も引き続きご愛顧をお願い致します。

昨今のオーディオ事情

オーディオ誌をご覧になっている方、円安傾向になって以来、円安の程度を超えて、輸入オーディオコンポの価格がひどく高価になってきました。輸入代理店は、海外メーカーの輸出価格の上昇もあると理由付けしています。¥100万円のコンポでもエントリークラスという有様です。
加えて、グローバル環境に対応するということで、日本のオーディオコンポ、とりわけ、カートリッジ、トーンアーム等の価格も異常に高価です。\70万を超えるカートリッジも販売されています。
高価な値付けでも強気なのは、中国のオーディオファンの爆買いがオーディオにも及んでいるからのようです。さすがに、輸入オーディオコンポの売れ行きは低落傾向で、この事態を憂慮した大手輸入代理店は一部海外コンポの値下げを11月に実施致しました。
一方、中古オーディオ品は、その価格から、程よく売れているようです。但し、ヤマト運輸が、スピーカー輸送事故の多さから、メーカー本箱品以外はスピーカー宅配引き受けを取りやめており、やむなく、ピアノ運送で運んでいる状況です。当然、輸送コストはそれなりにかかります。

マスターズアンプのこと

少し、話題が我田引水になることをお許し下さい。

コストパフォーマンス

マスターズ製品は相対的に安価です。これは、マスターズアンプを製作・継続できるだけで、利益は充分と私が考えているので、少しでもお安く提供するように、かつ、ユーザーさんの負担を軽減できるように考えているからです。

電源部の重要性

オーディオアンプは電源が重要ですし、問題点でもあります。その理由は、オーディオアンプの基本原理は、電源エネルギーをオーディオ信号で変調して、オーディオ信号を増幅して、スピーカーから音を出すからです。(Dクラスアンプは高周波で電源をスイッチングして、LCフィルターでオーディオ信号をろ過して取り出します。)
従って、リップル(整流しきれない交流成分)や電磁波ノイズがアンプ供給する電源成分に少しでも混入しては、著しくサウンド品位を落とします。
けれども、実際にはリップル成分がない電源を用意することはやさしいことではありません。交流電源からDCに整流する際、従来の回路ですと必然的にリップル成分、電磁波ノイズ成分がグランド回路に流れ込みます。
この大問題を解決するのが完全バランス増幅回路です。
具体的には、アドバンストZバランス増幅回路では電源回路がバランスフローテイング回路となっていますので、パワーアンプからスピーカーにリップル成分が流れ込むことが原理的にありません。
通常のハーフブリッジアンプでも、マスターズが採用しているXカレント回路にしますと、上記のような問題からフリーになることができます。
また、究極の方法として、電源電圧に12Vと制限がありますが、バッテリー電源駆動は清澄なサウンドが得られます。但し、バッテリーの電源供給能力は車用で100A以上ありますから、絶対にショートさせない注意が必要です。
Zバランス回路アンプをバッテリー電源駆動の場合でも、清澄さでは、交流電源からの整バランス電源方式よりもバッテリー電源が上回ります。

トランスのこと

トランス採用のパッシブプリアンプは大好評をいただいております。
通常のAC電源を採用したプリアンプとは決定的に違うサウンドです。電源不要ですから、電源や電磁波等による厄介な問題がまったくありません。また、パッシブプリアンプではノイズやひずみの発生がありません。
また、採用しているスーパーパーマロイコアは磁性体そのもの磁化特性が優秀で、ひずみの発生はありません。但し、磁性体は磁化されたときの振る舞いが絶好調になるには、ある程度のエージングが必要です。使いこなすことによってさらにサウンドパフォーマンスは向上します。この現象は、微視的には電子顕微鏡等で微少磁性体(磁区という)のふるまいを観測できるといわれています。

NFB設計

NFBは理論通りに作れば、大変有効です。けれど、現実のオーディオアンプでは、位相とゲインとの兼ね合いで、NFBは高域では位相のずれた形で掛かることになり、正弦波では良好でも、過渡信号では問題を引き起こします。
このあたりがNFBアンプのキーポイントです。
まずはオープンループ特性の周波数・ゲイン・スルーレート(高域パワーバンド)との関係を検討して設計・製作すれば、良好なアンプになります。
また、意外と無視しがちなことは負性抵抗によるアンプの超高域不安定性です。これは負性抵抗を打ち消す抵抗を付加すれば、アンプは安定動作となります。特にエミッタフォロア―回路には負性抵抗打消し用エミッタ抵抗付加は必須です。


Xカレント採用プリメインアンプ“MASTERS AU−900STAX/XHP”のパフォーマンス

新年のご挨拶

2015年を迎えました。みなさん、充実した日々を過ごしていると思います。
まずは、心身の健康です。気持ちの良いサウンドをお聴きになって、すてきな時間を過ごしていただくことを願っております。
2015年もよろしくお願い致します。

オーディオアンプのあるべき姿

昨年は、アドバスドZバランスアンプ、Xカレント電源回路の開発で、“アンプは電源が最重要!”、そして、アンプは“スピーカーのふるまい”を充分考慮して設計しなければならないと改めて感じております。アンプ設計者は、ともすれば、コントロール機能である増幅回路に気を取られ、上記ポイントを忘れがちです。
やはり、電源設計やスピーカー設計の経験を積んで、アンプ設計に係る事が重要と、この年になっても再認識しております。このポイントをベースに今後も邁進したいと思っております。

AU-900STAX/XHPについて

ところで、ここ2-3年、STAXのイヤーSPはじめ、ヘッドフォンヒアリングオーディオに人気があります。 
やはり、大きな音で聴けることはオーディオの醍醐味です。けれども、他人に迷惑を掛けず、自分のサウンドワールドに浸れるヘッドフォンリスニングも大きな楽しみです。

特に、STAXのイヤースピーカーの空気感漂うサウンドは素敵です。
このことは静電力(クーロン力)で振動する発音体は動電(ダイナミック)型のような逆起電力が発生しないことに関係があります。
従って、ドライブするアンプのダンピングファクターは、静電型スピーカーにとって、その再生サウンドに理論的には関係がなくなります。
静電スピーカーのダンピングは、振動膜に掛けるバイアス電位によって決まってきます。
例えば、バイアス電位を下げていくと、サウンドは柔らかい感じで少し(2dB:300VDCで)音圧が下がります。逆に、バイアス電位を上げると、振動膜の張力が増し、ダンピングが大きくなります。STAXは長年の経験とノウハウにより、最適バイアス電位を決めていると言っています。
そうなると、STAXイヤースピーカーをドライブすることでの重要ポイントは、振動膜をひずみなく動かすことです。
それは、振動膜を両側から均等に動かす(バランスドライブ)ことなのです。

MASTERSのSTAXイヤースピーカーをドライブできるアンプは、真空管方式と半導体方式とがあります。
コンパクトで、費用セーブできるXカレント採用多用途プリメインアンプ“MASTERS AU-900STAX/XHP”が最近特に人気があります。
ブロックダイアグラムに示すように、STAXイヤースピーカーのドライブ回路はクローズドループで構成され、電源(電磁波ノイズ)、アース電位に影響されることがありません。クリーンなドライブ環境で、STAXイヤースピーカーをバランスドライブします。
また、このアンプにはXカレント回路が組み込まれ、スピーカー再生にも優れたパフォーマンスを示します。また、近年、動電(ダイナミック)型の進歩は顕著で、なかなかのサウンドです。特にゼンハイザーのヘッドホンは発音体の口径が大きく、振動系マージンが充分すぎるほどあり、STAXイヤースピーカーとは対照的な切れ味の素晴らしさを感じます。
このように、多くの楽しみを1台のアンプでできてしまうことは、ハッピーなことと思いませんか!

みなさん、ともかく、楽しく、オーディオに取り組んで下さい。

MASTERS AU-900STAX/XHP”のブロックダイアグラム図
【図1】“MASTERS AU-900STAX/XHP”のブロックダイアグラム図(スイッチは省略)


イシノラボ創業15周年

皆さまのおかげで、イシノラボは15周年を迎え、それなりに元気にやっております。
皆様あってのイシノラボです!今後、特に、ビジネスに精を出すより、オーディオ、音楽好きの皆さまに、より気持ち良いサウンドを提供していきたいと考えております。

気持ち良いサウンドとは個人、個人で違う場合もありましょう。イシノラボは半導体アンプ、真空管アンプ、パッシブプリアンプ、MCトランスを極めて広い適応の中にマスターズブランドの目指すところを訴求してまいりたいと考えています。

イシノラボ創業15周年謝恩セール」開催で、イシノラボは消費税アップによる値上げは当分ありません!

今後とも、イシノラボをかわいがってください!!


レイアウト一新した工房のリスニングルーム  

2011年1月16日のブログで、自宅の装置や、そのサウンド等についてご報告致しました。
時の過ぎるのはあっという間、もう、2014年の2月です。せめて、毎日を納得して生きる(大げさか!気張り過ぎか!)ように心がけて、日記をつけ始めて3年以上が過ぎています。

日記を読み返すたびに、工房リスニング・スペースのスピーカー等のレイアウトを改善できないものかと、じりじりしていました。ようやく、2014年の2月早々に、スピーカーレイアウトの一新をおこないました。

これまで、TANNOY アーデン(アルニコタイプ)を主にサウンドチェック用に使用しておりました。一応、部屋にはJBL4320を置いてあるのですが、その前にアンプ等を置いていたので、充分なリスニングができませんでした。
今回、思い切って、そのようなアンプは別の場所に片づけて、2台のスピーカーを積み重ねて、両方とも聴けるように致しました。準備を始めてJBL4320のユニットを点検すると、何と、片方のウーファのエッジを触ったら、ウレタンエッジが落ち始めるではありませんか!そういえば、前回のエッジ張替は9年前でした。恐る恐る、もう片方のエッジを点検したら、これはOKでした。けれども、いずれ近いうちにエッジ交換する必要があるでしょう。エッジ張替はおこなったので、サウンドはOK。
さて、積み上げるにはマンパワーが足りません。妻は手伝ってくれないし、娘は力がありません。やむなく、親しくお付き合いのある“サウンドハイツ:千葉県・市原市”の若店長に来ていただき、お手伝いを頼みました。さすがに慣れたもので、“セーノ!”という掛け声で、2人であっと言う間にセットできました。

それから1週間過ぎ、極めて気持ち良い日々を過ごしております。低音域はスムーズに延びているし、音像定位も明快です。また、これまでは、1名の方が聴くのが精いっぱいでしたが、今度は2人、聴けます。また、往年の名器、JBL4320も繋ぎかえれば聴けます。

工房は、冬寒く夏暑いですが、音を出す空間があるのは救いです。気持ち良いサウンドを聴きながら、書きました!


視聴環境についてのお知らせ

2012年も引き続きご愛顧をお願い致します。

年末、部屋を整理して、オープンリールデッキのサウンドが聴けるようになりました。
音源は古いですが、けっこう聴けます。
1970年代のジャズ,ポップス,歌謡等です。

マスターズ製品に興味ある方、ついでにテープサウンドに興味がある方、どうぞ試聴にお越しください。
大したテープデッキではありませんが、2TR38サウンドが聴けます。

試聴をご希望の方は、必ずご予約下さい。
ヒアリングスペースは原則1名の方でいっぱいですので、ご承知おき下さい。


東日本大震災大震災の影響で思うこと

2011年3月11日の東日本大震災大震災の復興は長い道のりです。先週、皆様のおかげで、第6回の寄付をすることができました。微力ですが、継続していくつもりです。また、被災地地域の方に、早く、働く場ができることを願っております。

一方、放射能騒ぎには、日本人の潔癖さ、細かさが、マイナス要因になっているように感じます。そのためのストレスが放射能被爆よりも免疫力低下により、DNAが変化して、ガン化することを憂慮します。それに、電力不足で、今年の夏は、近畿・中国・九州地区で電力供給が相当厳しくなるでしょう。火力発電の増強で、日本の京都議定書の約束は吹っ飛んでしまいました。放射能騒ぎよりもっと、恐ろしいことが地球規模で発生しています。タイで、日本の中部地区で、地球温暖化で海面から物凄い量の水分が吸い上げられ、それが、どっと集中的に地表に降ります。おそらく何億トンの量とも思われます。一方では、オーストラリアのように干ばつが発生します。人間の欲望には限りがないように思えますが、もう、地球には蓄えられた回復力が少なくなっていると思われます。若い頃、旧約聖書の“ノアの箱舟”のことを読んで、大げさなフィクションと思いましたが、最近の雨の降り方を見ると、“本当にそのような異変があるんだ!”と考えるようになってきました。

皆様、もっと、おおらかに、ささやかに、生きていきましょう。そして、楽しめるオーディオで毎日を過ごしましょう。


東北地方太平洋沖地震の被災地への寄付について

東日本大震災で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

東北地方太平洋沖地震の被災地への支援について、微力ながら、わたしに協力できることを実行いたします。

“イシノラボのような零細・小規模な自営業者ができることはないか?”と考えて、微力ながら、3月24日以降、当分の間(少なくとも6ヶ月以上)、売上の5%を放送局とか新聞社を通じて、毎月寄付することを決意いたしました。大した金額にはなりませんが、少しでもお役に立てばと思います。

私(千葉市美浜区在住)はあの、激しい揺れとそのあとの液状化現象、余震を体験して、生きていることをかみ締めてします。そして、津波に飲み込まれた方々はさぞ無念であったであろうし、苦しい思いをされたと察します。さらに、避難所の方々の皆様のご苦労は本当に大変と思います。復興には長い年月が必要です。

ずっと寄付できるように、零細なイシノラボを継続できるように頑張る所存です。なにとぞ、皆様のご理解とご協力をよろしくお願い致します。

なお、West-Riverアンプ主宰者で盟友の川西さんも、WRアンプ売上の一部を当分の間、寄付することを決意したとの連絡が入りました。この輪が広がればと願ってやみません。


東日本大震災お見舞い申し上げます。

3月11日(金)14時46分の大地震被害に遇われた方、心よりお見舞い申し上げます。

避難所の方々の皆様のご苦労は本当に大変とお察し致します。このあと、仮設住宅とか復興へいろいろとご苦難が続くと思いますが、“生きていれば、良いことがある!”と心に念じて、生き抜いて欲しいと願っております。

また、我々も電力不足からの交通・流通の不便だけでなく、経済活動、生活までが影響を受けております。何とか耐え忍んで、プラス思考で過ごすことが肝要と考えます。

お客様、ユーザーの皆様から、多数のお見舞い・安否確認のメール・TELをいただきました。ありがとうございます。

イシノラボは通常営業に復帰しましたが、大震災のショックは大きく、元気がなかなか出ませんが、このようなときこそ、癒される音楽を良いサウンドで聴いて、元気を出しましょう。素直な気持ちとして、節電する意味でも、スモールパワーのアンプとか、パッシブプリが節電協力しつつ、楽しめると思っています。

まだまだ余震は続きます。さらに、東南海地震の覚悟も必要です。皆様も心安らかにはならないでしょうが、生きている限り、明るく希望を持ちましょう。

P/S
仙台在住の大友デザイナーから、昨日やっとTELが通じ、元気でいることが分かりほっと致しました。仙台でも山側にお住まいなので、それほどの損壊はなかったそうです。電力は昨日から復帰ですが、水道、ガスはだめ、ガソリンは買えなく、スーパーにも品物がほとんどないそうです。仙台駅も破壊されて、仙台近郊JRは動いておりません。郵便(ゆうパックはNG)は、少し配達が遅くなりますが配達されるそうです。宅配便はNGです。仙台海側はテレビでご覧のようにひどい様子らしいとのことです。

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