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 店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。
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限りなくピュアサウンド!MASTERSパッシブプリアンプと、カスタム・オンリーワンオーディオ

発売以来、大好評をいただいているMASTERSパッシブプリアンプ(トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-777S”,“MASTERS CA-999FBS”)ですが、画像に示すようなカスタム仕様の素敵なパッシブプリアンプも作れます。

はじめの写真は、L/Rを独立して、音量コントロールするカスタムパッシブプリアンプです。部屋・スピーカの音響特性を考慮して、L/Rバランスが取れる方法も意味あることです。

MASTERS CA-999FBS CUSTOM(トーンコントロール付)
MASTERS CA-999FBS CUSTOM

次は、究極のパッシブプリアンプと言えるもので、バランス仕様、バッテリードライブによるトーンコントロール回路内蔵、L/R独立音量コントロール方式のカスタムパッシブプリアンプです。

MASTERS CA-999FBS CUSTOM
MASTERS CA-999FBS CUSTOM(トーンコントロール付)

このように、お客様のオンリーワンアンプが作れます。

なお、以下の写真のように、パワーアンプ,STAXアンプ,チャンネルデバイダーもカスタムで作れます。

バッテリードライブパワーアンプ(モノラル仕様)
バッテリードライブパワーアンプ(モノラル仕様)

STAX用カスタムアンプ
STAX用カスタムアンプ

4WAY チャンネルデバイダ
4WAY チャンネルデバイダ

興味をもたれた方は、どうぞお気軽にご相談ください。


すぐれたロータリースイッチの存在でMASTERSパッシブプリアンプが成立している

1970年代の後半から、スイッチメーカーは、ロータリースイッチの製造に消極的になってきました。その理由は、アンプ製造側からは、スペースを食う、手配線になるので組立工数が掛かる、というような理由です。

そこで、スイッチメーカーは、ロータリースイッチの配線端子をプリント基板対応にしたりしました。ベテランのオーディオファンの方なら、ある時期、大型ロータリースイッチの配線端子がプリント基板に取り付けられる方式にしたものを見たことがあるでしょう。けれども、そのような対応は長続きしませんでした。

そこで、スイッチメーカーは、スライドスイッチをロータリースイッチ風にすることを考案しました。いわゆるスライドロータリースイッチです。回転フィーリングは軽くなっていましたが、接点はスライドスイッチですから、それなりの性能であることは仕方ありませんでした。

そこで、アンプメーカーは、入力切替等はプッシュスイッチにすることにして、段々とプッシュスイッチで入力を切り替えることが一般的になってきました。さらに、近年のようにデジタル化が進むと、ロータリーエンコーダで切り替えるアンプも増えてきました。

一方、やはり、昔の測定器、特にオシロスコープに使われたロータリースイッチのような感触を欲しい方がいらっしゃることは確かです。超高級機には、ロータリースイッチを採用しているところがありますが、これらを製造していた岩崎通信機や富士通は製造を終了しております。近年の測定器もロータリースイッチを使わなくなってきたからです。

一方、大好評をいただいているパッシブプリアンプのATT切替機構は、ロータリースイッチでなければ製品として成り立たないのです。23接点という多接点のロータリースイッチは、接触の確かさ、切替・回転フィーリングのスムーズさが重要です。

MASTERSのパッシブプリアンプ“MASTERS CA-777S”,“MASTERS CA-999FBS”は、製品化にあたっては、いろいろ検討してみましたが、知る人ぞ知る!セイデンのロータリースイッチを採用しております。その回転フィーリングはすばらしく、スムーズに切り替わってくれます。電気的接触もすばらしく確実です。岩崎通信機、富士通の測定器用高級ロータリースイッチよりも圧倒的に素晴らしいのです。セイデンスイッチの価格は、それら測定器用よりも高価であるから、当たり前といえるかもしれないですが、私の知っているところでは、おそらく世界一の性能と思います。

どうしてセイデンスイッチは、素晴らしいスイッチが実現できるのか?に、ポジティブな疑問を持ち、お会いしたことはないのですが、セイデン社代表取締役のFさんにTELして伺ってみました。Fさんは、セイデンのスイッチが製品として登場してきた経緯について、控えめな口調で、次のように語ってくれました。

私は、(株)セイデンに改称勤務していたとき、電子顕微鏡の開発、製造会社に長年勤務してから、電子顕微鏡の開発・製造・納入依頼を受け、画像が安定しない等の問題に直面しました。
解決をするため、より厳しい性能が要求されました。このときの創意・工夫がロータリースイッチの性能(特に、接触抵抗)が格段向上し、他社の追随を許さないレベルになりました。

その後、Fさんが接触抵抗の安定性・耐久性に加え、操作感触・導体素材にこだわって改良を加えた製品が、現在のオーディオ用ロータリースイッチ(1985年製発売開始)であるといいます。

“どうして、オーディオ用に製品化したのですか?”と尋ねると、“オーディオは高校生の頃から好きで、当時、YL音響の故吉村社長にかわいがってもらって、高校生で、YLのホーンスピーカーを使っていました!”このことは、私よりも早熟オーディオマニアで、筋金入りと思います。

セイデンは決して大きな会社ではなく、どちらかと言えば小規模な会社と思えます。その点については、“たくさんの注文はないし、それほど儲かる仕事でもないです。”とFさんは謙虚に語ってくれました。

今は、数は多くないが“こだわりのハイエンドオーディオブランドのすべてから”と言って良いほど、注文がきているし、また、プロ用にも採用されているということで、タムラの放送局・ホール用コンソールにはセイデンスイッチが使われているといいます。

また、セイデンスイッチを製造するには、マニュアル化すれば製造できるかというと絶対そうでなく、これまでの工夫や実績を踏まえた“ノウハウ”が必要であるとのことでした。

今後、世界一といえるセイデンスイッチの製造ノウハウを、弟子?の方に、やさしくはないが伝承しているとのことです。ジャパンメイドの素晴らしさが継続されることを願っています。MASTERSのパッシブプリアンプもセイデンスイッチがある限り、これからも先、安心して製作が継続でますし、新製品開発にも取り組めます。

今や、採算から、海外、とりわけ中国に生産拠点を移動することがほとんどになってきましたが、このようなノウハウを失っては日本の将来はありません。これからの日本は高付加価値で生き残るべきです。

MASTERS BA-218/OS

MASTERS BA-218/OS

MASTERS BA-218/OS
【セイデン 2回路23接点ロータリースイッチ】


最近のマスターズ/イシノラボの状況

相変わらず、それなりに忙しくアンプ作りに励んでおります。

発売以来、トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-777S”,“MASTERS CA-999FBS”は、ご好評をいただいており、製作に励んでおります。
お客様から、「L/Rのレベル差はどうですか?」というお問い合わせが割とあります。当然、「トランスの巻き数でレベルが決まるので、誤差はありません!」とお返事をしておりますが、実際測定してみても、測定器の誤差レベルで非常に優れています。
具体的には、どこの位置でもL/Rレベル差は±0.01dB以内です。

また、話題の節電アンプである、プリメインアンプ“MASTERS AU-880L”,“MASTERS AU-890L”が大好評です。お手頃価格もありますが、とても心地よいサウンドが出ております。それにコンパクトで扱いやすいです。
購入なさったユーザーさんから高い評価レポートをいだだき、作り手としては最高の喜びです。

STAXアンプも使える新型・多用途プリメインアンプ“MASTERS AU-900STAX/HP”も好評をいただいております。
AU-880LのサイズでSTAXのイヤーSPが使えるのは、便利この上ないです。
通常のスピーカやヘッドフォンを使うときは、STAX回路からは分離されますので、まったく影響ありません。また、STAX使用時には、300Vrmsを超える高電圧振幅でもひずまず、クリップもしません。
STAX専用アンプとも異なる芳醇サウンドをお楽しみ下さい。

また、アンプ修理依頼も少なくありませんが、かつての重量級・大型アンプの修理には苦労しております。とにかく重く、年齢的にもとてもわたしの体力では厳しくなり、修理に際しては、あらかじめ分解して、軽くしてから修理にあたっております。

これからも、体力の続く限り、お客様に喜ばれる製品の製作と、修理依頼にもできるだけお応えしたいと考えています。


バランスドライブアンプとパッシブプリアンプとの合体

バランスドライブアンプ“MASTERS BA-225FB/MOS”、トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-777S”、“MASTERS CA-999FBS”は、ご好評をいただいております。
さらに、バッテリードライブでアンプを駆動しているお方も確実にふえておりますし、現在、カスタムアンプとして製作中のアンプもあります。
今回、盟友デザイナーの大友さんから、“私にも、これが一番良いと思うアンプを作ってくれ”との要請を数か月前から受けていました。日々の製作に没頭することが多く、なかなか試作に取り掛かれませんでした。大友さんは、先にアンプ図面を書いてきて、さらに少し経ったら、シャーシ・ケースを作って送りつけてきました。
そうなったら私も意欲が湧いてきました。
そこで、以下のような内容のアンプにしようと思いました。

  1. アンプはバランス増幅アンプ形式にする。
  2. 電源は、ピュアで、電源インピーダンスが低く、ドライブ力のあるバッテリーを採用する。
  3. 音量調整はパッシブプリアンプに採用しているトランス式アッテネータ(トランスATT)を搭載する。

このような、ある意味、究極のアンプの内容を盛り込んで作ろうということにしました。大友さんも、この内容に賛同してくれました。

さて、実際、トランスATTは電源トランスからの誘導を受けやすいので、この問題は発生しないようにと、バッテリードライブ形式とすることは必要条件かもしれません。(商用電源方式にするなら、電源部は別シャーシに用意すれば問題解決します。)

また、トランスATTをバランス用に4個搭載するのは、コスト・スペースの点で無理があり、やむなくバランス入力は諦めて、アンバランス入力(大友さんのCDプレーヤーはバランス出力がないという)専用として、このアンバランス信号をバランス変換してバランス増幅アンプに入力させる方式にしました。
最大出力は、バッテリードライブですから、最大パワーは8Ωスピーカで18W+18Wというところです。
時間を見つけては、少しずつ組立、やっと5月になって音が出る段階になりました。
写真は、配線した直後なので整理されていませんが、あえて掲載します。

結果は以下のようになりました。

  • まず、ノイズの発生は、周囲に電源トランスを置かないバッテリードライブとしたので元々ローノイズですが、さらにローノイズに仕上がりました。
  • 周波数特性、ひずみ、ダンピング・ファクターなど、電気的特性も問題なく優秀でした。
  • さて、一番気になるサウンドパフォーマンスです。これは、一聴して好みを超えて素敵なサウンドであることは理解できました。静寂のなかで純粋にサウンドだけが耳に届く感じです。低域の重心、がっちり感も充分です。ボーカルのパワフルさ、透明感もエクセレント、コーラスの場合の混変調感も、リアルそのものと聴き取れました。また、パルシブなサウンドも立ち上がり感、爆発感、切れ味が素晴らしく、言うことはありません。

自己陶酔かも知れないと、落ち着いて2週間ほど聴いてから、大友デザイナーに発送致しました。

大友デザイナーからは、“いい音!大変満足!”とのありがたいコメントをいただきました。事実、大友デザイナーにTELすると、最近はいつも音楽が聴こえます。
“カー・バッテリー(28Ah)を使っているけど、まるで電圧低下がないような電圧測定結果!”ということですから、このペースでは2~3カ月に一度くらいの充電で充分でしょう。充電は、わたしの説明・注意に従って、安価(¥2,980)な充電器で充電しています。
そんなわけで、この方式のアンプを、できれば製品化したいと思っております。
とりあえず、皆様にお知らせいたします。

バランスドライブアンプとパッシブプリアンプとの合体


新製品 プリメインアンプ“MASTERS AU-890L”のご紹介

これまでホームページ上には、大友デザイナーによるデザインスケッチで、プリメインアンプ“MASTERS AU-890L”を紹介しておりましたが、やはり作ってみてのご紹介が筋ということで、1台製作しました。

  1. 回路は、大好評のプリメイアンプ“MASTERS AU-880L”と基本的には同様です。電源トランスはオーソドックスなEI型タイプを搭載しております。電源トランスのタイプにより、電源変動率だけでなく、動作時のリケージフラックスが異なるので、微妙にサウンドは異なるようです。AU-880Lより、わずかにどっしりした感じが聴き取れます。
  2. 電源ケミコンは、USA製のスプラーグ製をメインに搭載しております。容量が多くはないのにそれなりに大型になっているのは、電解箔のエッチング倍率は低く、等価抵抗分が低いと思われます。従って、好ましいサウンドが出てくる可能性が高いです。近年のケミコンのエッチング技術は凄く、小型で驚くほど容量が取れます。抵抗分(ESRと言う)は別として。
  3. 操作は、ロータリースイッチとオーディオ全盛時代に使われたレバースイッチでおこなえるようになっています。とっくに製造は完了しているので、在庫分を使ってのご提供です。使用感と見た目は、素晴らしいと思っています。
  4. マスターボリュームはアルプスのデテント型を採用しています。このボリュームのL/R減衰特性の素晴らしさには目を見張ります。特に、-50~ー75dBの減衰特性のL/R偏差の正確は、プロ用の東京光音電波のボリュームも素晴らしいですが、それを上回ります。音質もアキュレートそのものです。
  5. AU-880Lで好評な部分は、パワーアンプへのダイレクト機能です。AU-890Lでは、レバースイッチを下に倒せば、ボリュームを通らず、パワーアンプと動作します。
  6. AU-880L同様、このアンプの電源ON時、立ち上がり、電源OFF時の立下り特性が極めてスムーズなので、SPリレーは通ることはなく、しっかりしたレバースイッチを通るだけとなっております。万が一のプロテクションはヒューズで対応しております。ブレーカースイッチへのカスタムは受け付けますので、ご利用下さい。
  7. 肝心のサウンドは、このようなスモールパワーとは思えないようなパワフルさで、かつ明快、分解能も良好、繊細さもあり、良好なサウンドと思います。将来プランとして、パッシブプリアンプ“MASTERS CA-777S”と組み合わせれば、さらに精緻なサウンドが聴けると思います。

P/S:
私の気持ちの拠り所としていた音響機器メーカーの山水電気株式会社が東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理されました。昨年、親会社ザ・グランデ・ホールディングズ・リミテッド(香港)も事実上の倒産状態に。資金調達のメドがまったく立っておらず、今期の定時株主総会も延期していました。 東証では、5月3日付けで上場廃止となる予定。これで、山水電気は完全に消滅になります。


トランス式パッシブプリアンプの性能とサウンド

MASTERSのトランス式パッシブプリアンプは引き続き好評で、現在も多くの問い合わせ、カスタムリクエストを頂いております。当社のようなスモールスケールの会社では、皆様のやってみたいこと、こうして欲しいことを検討し、できるだけ実現することに努めております。

今回は測定環境を整えて、発振器の低ひずみを実現して、発振器の残留ノイズを性能限界まで低く致しました。

少し話がそれるかも知れませんが、大手メーカーがデジタルアンプ開発に使うパソコンと連動するオーディオプレシジョンでのひずみ測定は驚くほど低ひずみになりますが、これは、ハイパスフィルタを20kHzにして、ひずみ高調波を測定できないようにして、低ひずみデータが出ている場合が多いのです。

今回の測定では、当方の発振器で発振器残留ひずみをノイズも含めて、何とか0.003~0.004%に致しました。

そのうえで、トランス式バランス型パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FBS”について、雑音ひずみ率を、通常より広く60Hz~20kHzまで測定してみました。50Hz地域では、50Hzのひずみ測定はビート現象を起こすので、ずらすことがおこなわれます。

ところで、オーディオエンジニアでさえ、トランスというと、ひずみがあるとか、帯域が狭いとかと誤解している方が少なくないのには少し驚きます。シンプルな電源トランスでさえも、多くの誤解や知識不足があります。このことは、学校での電磁気学の教育の悪さで、教える先生方でさえ実態が分かっていないことが多く、仕方なく、マックスウエルの微分方程式を数学的にもて遊び、学生を困らすだけだと思います。かって、タムラ製作所に入社したとき、実態に基づいた理論・設計法を教えられ、当時のタムラ開発部長のH氏に電磁気学教育のひどさをお話しましたが、東北大学出身のH部長は仕方ないといっていました。強いて言えば、トランスメーカーがトランスに関する技術書を出版すればよかったのですが、核心技術を公開したくない気持ちが出版を阻んでいます。

話が、余計なところにそれてすいません。

さて、グラフに示すように、ひずみの少なさは、素晴らしさに尽きます。高域は、理論的にもトランスのひずみは非常に少なくなります。周波数が高くなればなるほど、磁気飽和を起こすことになるからです。けれども、採用しているコアの選定を誤ると(磁気材料やアニール処理等で)、高域でもひずみが下がりきらないことが起ります。

トランス式バランス型パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FBS”ではトランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-777S”と同様、スーパーパーマロイを採用し、適切な巻線を施しているので、ワイドレンジで低ひずみを実現しております。

アンプの場合は、プリアンプといえども、高域では一般的にひずみは悪化します。また、本質的にアンプは電源成分をオーディオ信号で増幅デバイスを変調(コントロール)して出力しますので、ひずみはNFBでかなり改善できますが、ノイズ成分は必ず加算されます。

オーディオエンジニアやオーディオ評論家でも誤解している方が多くおられますが、いくらNFBを掛けても、ゲインがその分低下するので、残留ノイズ絶対値は下がりますが、アンプのS/N比は、デバイス・デバイスに掛ける電圧・流す電流によって決まってしまいます。

トランスは、トランス自体はノイズを全く出さないので、S/N比を悪化させることはまったくありません。いわゆる、“オーディオ信号に何も足さず、なにも引かず、そのまま伝送する”ということになります。但し、磁性体の選定や設計が拙劣では成立しません。

また、人間の聴覚は、ある意味、電気的測定より優れた検知能力が知られておりますが、実際、今、ヒアリングしながら聴いてますが、まさにピュアなサウンドを出してくれている感じで、ぞくぞくします。ちょうど、2月6日にオペラシティで聴いたばかりの“春の祭典(ストラビンスキー)”を聴いてますが、不協和音や変拍子が連続する部分でも、綺麗に、明快に聴こえます。

特に、ある程度のニア・フィールフィルードで、それほど大きくないレベル(70~80dB程度のサウンドレベル)でヒアリングする方には、音楽の細部まで聴こえて、残留ノイズ成分のないこのパッシブプリアンプで、オーディオ趣味を心ゆくまで堪能できます、まさに、最適と思います。

スピーカをバランス増幅したい方には、このトランス式バランス型パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FBS”を、従来のハーフブリッジ式アンプで充分という方にはトランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-777S”をお勧めします。

MASTERS CA-999FBSのひずみ特性
MASTERS CA-999FBSのひずみ特性


2011年の活動を振り返って

2011年もご愛顧頂きましてありがとうございました。
2011年の活動を振り返ってみたいと思います。

  1. 使い易いパッシブプリアンプ

    昨年は、狭くて決して綺麗でない工房に来訪して下さる方が多かったことに、お礼申し上げます。
    ところで、パッシブプリは、大勢の方に聴いてもらう広いスペースでの再生は、細やかな表情の再生を聴き取るには、充分な良さを感じ取るのにベストとは言えません。皆様が楽しむ音場は4.5~14畳くらいのスペースが充分と思います。また、ユーザーの方から、“電源不要なことが、これだけピュアなサウンドになるのだと実感!”という声を良く聞きます。ニア・フィールドリスニング、ヘッドフォンリスリングにも最適と言えましょう。

    また、真空管パワーアンプを使用されている方にもパッシブプリユーザーさんが数多くおられます。真空管アンプのおおらかなサウンドに、繊細さが加わったと言われます。そして、“バランスタイプとアンバランスタイプのどちらが良いか?”という質問も良く受けますが、バランス増幅アンプならば、バランス型トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FBS”をお勧めします。バランス増幅特有の重心が落ち着いたサウンドが得られます。バランス型トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-777S”ですと、軽やかで、繊細、高分解能が良く聴き取れます。“どっちも欲しい!”というお方(S.Hさん)は両方を購入いただきました。

  2. STAXイヤーSPの聴き方の拡がりとヘッドフォンリスニング

    有限会社STAXは、最近、中国の会社と提携することになり、経営が安定することと思われます。できれば日本の会社との提携を願うところでしたが、これもいたし方ないところでしょう。STAXのイヤースピーカの製造現場を見学させていただくと、防塵ルームで、超細かいほこりやちりを丹念に取っている作業、また、振動膜をあざやかに張る作業は繊細で気配りある日本人にはぴったりです。いつまでも日本生産を続けて欲しいと願っております。

    マスターズでは、STAXイヤースピーカをSTAXさんの専用ドライバーアンプとは別の観点からの再生を目指してきて、一昨年から、何台かのSTAX用アンプを製作・納入できました。2011年は、さらに進展させ、純真空管構成で、500Vrms以上の最大電圧をSTAXイヤースピーカに供給できるようになり、楽々とドライブできるようになりました。副産物として、通常(動電型)のヘッドフォンをバランス・ドライブすることもできるようになりました。動作原理がまったく異なるヘッドフォンを両方聴けることは、さらなるオーディオの楽しみが倍加することでしょう。STAXイヤースピーカ/ヘッドフォン バランスドライブアンプ“MASTERS SX−3000BD”として製品化しました。

    2012年には、半導体アンプで聴けるようにしたいという声に応えて、製品化する予定です。このアンプは、製品化に先駆けて、すでに2011年11月30日のブログで新型・多用途プリメインアンプ“MASTERS AU-900STAX/HP”としてご紹介いたしました。この方式ですと、性能は落ちることなく、よりお求め易い価格を実現できます。

  3. これ以上ピュアな再生方法がないバッテリードライブアンプ

    100V電源が汚染されていたり、波形ひずみが多いことは、これだけデジタル技術、コンバータ技術等が進歩すると、その副作用として発生するのはある程度仕方のないところです。そのような状況下で、対策ケーブル等がにぎやかです。中にはアンプの価格を越えるものがあり、“それは行き過ぎ!”と思うのは、わたしだけではないと思います。100V電源汚染をクリーンにするのは、柱状トランスからとか、新たにアンプで100Vを作る電源くらいにしないと、なかなか効果がでるものでないと感じています。その点、バッテリー電源はまったく100V電源の影響は受けず、その電源インピーダンスの低さは驚異的です。なぜなら、エンジン始動には100A以上の電流が流れます。このような大電流に耐える家庭用電源、アンプ電源はありません。難点は、12V電圧ですから、MASTERSのような±12Vで動作するようなアンプが必要なことです。バッテリー価格は、車用が多量に販売されて、その性能に比べ、大変、お安いと思います。使い方、充電等については、アンプの発送時に十分に説明させていただきますし、2010年4月6日のブログをご覧下さい。

2012年もよろしくお願い申し上げます。


評価の高いプリメインアンプ“MASTERS AU-880L”

プリメインアンプ“MASTERS AU-880L”は10W+10Wのパワーで、横幅330mmのコンパクトなプリメインアンプです。

発売して半年くらい経ちますが、パッシブプリアンプの影に隠れて目立たない存在でした。けれども、自宅でこのアンプを使ってみて、そのパーフォマンスの高さには驚きました。おそらく、世界一、残留ノイズが少なく(LPF80kHzで30μV以下)、ひずみも極小、ワイドレンジで、全くと言って良いほどノイズが少なく、これまでノイズに埋もれてしまった音楽、オーディオ情報を聴ける、その清らかな印象は注目に値します。しかも、アイドリング状態の消費電力は3W、1W程度の大きいサウンドで動作させても、5Wの消費電力にもびっくりです。ちなみにEL34pp真空管アンプでは160Wくらいの電力を消費します。

クラシックでも微妙なホールの空気感、スタジオ録音での、隠し味に入れた微妙な細かいサウンドも聴こえてしまいます。打ち込み音楽でも、ミュージシャンがリスナーには聴いてもらえないような細かいサウンドも検知できてしまいます。
思い切って、3年ぶり?くらいに、“オーディオ・アクセサリー誌 141号”に、このアンプをヒアリング評価に提出してみました。135ページをご覧になると、私が感じていた以上のヒアリングライターの方のコメントが読めると思います。マスターズのような零細なブランドでも、きちんと評価頂いたことにありがたく思っております。

さて、オーディオアンプの仕様で、S/N比について記述されることがあっても、残留ノイズの記載はあまりされません。例えば、8Ω/100Wのアンプで、90dBのS/N比というと、このアンプの残留ノイズは28.3V(100Vの出力電圧)×0.000033≒0.93mVです。ユーザーの方の再生出力は大きい音のときでも、せいぜい1W(8Ω/2.83V)です。そのときの上記アンプを聴いているときのS/N比は、0.93mV÷2.83V≒0.0032→70dBに低下しています。簡単にいうと、最大出力の1/10のパワーで聴けば、20dBもS/N比が低下します。この0.9mVに貴重な音楽情報が埋まってしまっているとも考えられます。
AU-880Lでは、残留ノイズが30μV→0.03mVですから、1Wで聴いたとき、S/N比は100dBを超えます。優れたS/N比ですから、これまでノイズに埋もれた、聴こえないサウンドが聴こえてくるのです。特に、高効率スピーカをお使いの方は、本当の音楽情報を聴き取ることができます。
究極なところでは、MASTERSのパッシブプリアンプである、“MASTERS CA-777S”や“MASTERS CA-999FBS”ならば、プリアンプの残留ノイズはゼロで、音楽情報が全て再生されます。


3月11日の大震災の復興は長い道のりです。先週、皆様のおかげで第3回目の寄付をすることができました。微力ですが、継続していくつもりです。また、被災地地域の方に、早く働く場ができることを願っております。

一方、放射能騒ぎには、日本人の潔癖さ、細かさが、マイナス要因になっているように感じます。ともかく、長期、微量の放射能被爆の医学的データが無く、あるのは、チェルノブイリでも、長期被爆で亡くなった方がいないという事実です。むしろ、そのためのストレスで、放射能被爆よりも免疫力低下によって、DNAが変化してガン化することを憂慮します。将来のある乳幼児の方は、B型肝炎のように30年後に発病することもあるかも知れませんが、少なくとも、60歳以上の方はふるさとの地で、ゆうゆうとお暮らしになることが良いと思っております。わたしが、そこに住めといわれたら、住んでもよいという気持ちです。皆様、もっと、おおらかに生きていきましょう。そして、楽しいオーディオで毎日を過ごしましょう。

最近の注目点として、秋葉原では、ガイガーカウンターが¥49,800くらいで売れています。¥13,900で、ガイガーカウンターのキットも販売されています。ガイガーカウンターは夜光塗料にも反応します。やるせない気持ちです。


がんばろう! 日本。そして、50Hz地域の方は節電しつつ、オーディオを楽しもう!

3月11日の悪夢から、1ヶ月近く経とうとしておりますが、復興は、まだまだ長期戦です。福島の原発は、見守る以外、我々はなすすべもありません。けれども、我々が1950年代、太平洋、ゴビ砂漠で頻発におこなわれた核実験で受けた放射能被爆量に比べたら、おそらく6桁くらい低い水準だと思い起こします。
乳幼児、妊婦の方以外は心配することはないと思っております。それよりも、たばこ、酒の飲みすぎのほうが、はるかに、はるかに不健康です。

イシノラボ売上の一部をJNN募金させていただきました。これから、毎月募金するつもりでおります。
当方の工房の消費電力は、昨年同月比で-18%の節電となりました。これからの6・7・8月の盛夏をどう乗り切るかです。少なくとも暑い時期は、半導体、省電力アンプやパッシブプリアンプ(MASTERS CA-777SMASTERS CA-999FBS)の出番です。

そして、このような受難の時期は、張り詰めた気持ちだけではストレスで参ってしまいます。好きな音楽を好きなサウンドで楽しむのは、とても心身の健康に有益と思います。

最後に、昨年末あたりからカスタム製作を依頼されたパッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FB SUPER A CUSTOM”は、ようやくでき上がり、納品出来ました。このパッシブプリアンプは、バランスタイプ、それにトーン回路も搭載している盛り沢山の内容です。写真に示すように、それなりに格好良くでき上がったと思っております。

MASTERS CA-999FB SUPER A CUSTOM

MASTERS CA-999FB SUPER A CUSTOM

現在は、バッテリードライブによるカスタム・バランスパワーアンプを製作中です。もう少しで完成します。
ご自分だけのオンリーワンアンプのご相談に乗れますので、どうぞ、ご遠慮なく!

今、MASTERS AU-880Lで“ケルティック・ウーマン”を聴いて、このブログを書いています。
清らかなフィメール・ボーカルには癒されます。ちなみに、リスニング時のアンプ消費電力をチェックしてみたら、平均6Wでした。

まだ余震が続きます。心を平安に保ち、毎日を過ごしましょう。


弊社製品の安さの理由とオーディオ機器の価値

弊社の販売している製品は“安い!”といわれることがしばしばです。確かにわたしのところでは、オーディオビジネスの長い経験からしても、それほどの利益はいただいておりません。それは、“このご時世ですから、生活に無理の無い範囲で長くオーディオを楽しんで欲しい”という想いからです。本日も、“何とかお小遣いを貯めて、4月上旬には買いたい”といわれる方が1/3ほどの代金を持参されました。確かに、持っていると無駄使いはしなくともお金は出て行きます。弊社はクレジット会社とは契約しておりませんいので、代金を100%いただいてからでないと商品はお渡しできませんが、貴重なお金をお預かりして製作の準備を致します。

また、ユーザー様から“それほどのパワーは要らないということが良く分かった!”というコメントも寄せられます。私がサンスイに勤務しているときは、50W以下のアンプはスモールパワーということになっていました。これは、パワーが少しでも大きいことが、他社との競争で重要な要素であったからです。前回のブログ(「我が家のオーディオ装置から、やっといい音が出る!!」)でも書きましたように、広い部屋でバンバン音が出せ、効率86dBくらいのスピーカを鳴らす方では100Wのパワーは必要でしょう。しかし、99%のユーザーさんは、効率86dBの効率でも、大きい音でも0.1W(1V程度/8Ω)程度で聴いておられます。従って、10Wあれば充分すぎるし、2W程度のアンプでも音量不足というお話は聞きません。わたしの自宅では、ロジャーズLS3/5A(82dBの低効率)を使用していますが、10WのAU-880Lで、ボリュームは8時半くらいで充分な音量です。

それよりも、アンプからのノイズが少ないことがより重要です。マスターズのアンプでは、パッシブ・プリアンプ“MASTERS CA-777S”,“MASTERS CA-999FBS”では、原理的にまったくノイズは出さないし、パワーアンプは30~60μVの残留ノイズで、他社の半導体アンプの平均ノイズレベル300μVと比べると、1/10~1/5の低さです。この静寂さの中から、本当のリアルサウンドが生まれると思っています。

それでは、まだまだ寒い日が続きます。お体をご自愛下さい。

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