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【MASTERSブランド】
AU-700BD
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“バッテリードライブアンプの素晴らしさと、100V電源でも素晴らしいサウンドを楽しめるコンパクトなコンパチブル・プリメインアンプ!
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    2010年11月27日(土)
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 店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。
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パーマロイコア採用の小型出力トランスの開発と搭載アンプの製品化計画

パーマロイ出力トランス搭載アンプのマイナーチェンジ

BA-218FBG/Pはパーマロイトランス搭載で大変好評、特に、そのサウンド評価が高いです。これまで、限定販売しておりましたが、予定数を販売し、いったん、このアンプの販売は終了と考えておりました。けれども、大好評、そして、このアンプの高音質は他に例のないサウンドです。そこで、急遽、新規トランスケースの入手とパーマロイコアの入手に努めた結果、引き続き、BA-218FBG/Pの販売は継続できることになりました。

小型パーマロイトランスの開発

現在、パーマロイコア採用の出力トランスはMASTERSのBA-218FBG/Pに搭載したほかはありません。かつて、2001年当時、タムラにおいてパ-マロイコア採用の出力トランス(F7021)が販売されていました。当時のオーディオ誌を読むと、“空恐ろしいほどのリアリティ!”、音楽の表情が繊細かつ大胆で!”、“大編成のオケが怒涛のごとく響く!”と評価されていました。残念ながら、高い評価に関わらず、あまり評判にならず、いつしか販売終了になってしまいました。
私は当時、山水OBの方が活躍されていた阪東電機に、シングル仕様でパーマロイコア採用の出力トランスを4個、作って貰いました。でき上がってきた特注トランスは、10W(40Hz)の容量なのに驚くほどの大型になっていました。また、高価で、これには参りました。ここで悟ったことは、高い磁束密度を取れないパーマロイコアは、DC磁化するシングル用出力トランスにはCP的にも向いていないことでした。具体的には、300B、2A3のシングルアンプを搭載して、2台切りで終わってしまいました。
それから、私はMASTERSのMOSFETバランスアンプのほうに傾注したので、真空管バランス増幅アンプとして、橋本電気に特注したバランスNFB巻線付き、オリエントコアの出力トランスBA-218FB/OSはパワフルで情報力が多く好評でこれまで、かなりの台数の製作実績で推移しています。

その後のパーマロイ出力トランス啓発の経緯は、これまでのブログや製品紹介文で記述しています。
パ-マロイコアは高価ですので、何とか小型化して、お買い求めいただきやすい金額でパーマロイトランスを出来ないものかと考えました。(実はこれまで、80Ω:8Ωのマッチングトランスとして、カスタムトランスとして、MOSFETバランス増幅アンプ搭載して、好結果を得ていました。)
パーマロイコアは高価なので、資金的事情で、ある程度の重量でしか入手できない経営状態です。そして、在庫負担にならないようにすることも注意点です。
そこで、採用するコアサイズは使用量がある程度見込めるコアを採用することにしました。それには、パッシブプリアンプに採用しているコアサイズとして、試作検討することにしました。

さて、少し分かりにくくなりますが、我慢して、このトランス基本数式を眺めてください。

N1=(4.44×E×10の8乗)÷(B×D×F)
N1:1次巻き数、E:取り扱う最大電圧、B:トランス励磁磁束密度、F:印加される最低周波数

この数式から読み取れることは、パーマロイ系コアはオリエントコアほど大きな磁束密度がとれないことです。オリエントコアの1/4程度です。従って、パーマロイ系コアを採用すると、パワーを取り出すことがオリエントコアに比べ不利になります。それでなくともパーマロイ系コアは高価ですから、真空管アンプの出力トランスには採用が難しくなったのでしょう。通信用トランスやMCトランスでは取り扱う電力が小さいですから、低ひずみのパーマロイ系コアが採用できたのです。(例外として、かつて、一部のウエスタンエレクトリックの業務用真空管パワーアンプには音質優先のため、パーマロイコアが出力トランスに採用されていました。)

さて、話を戻しますと、このコアで扱えるパワーは3W程度を目標としました。3Wというと小パワーと思われるでしょうが、88dB/W程度のスピーカーならば、ガンガン近所迷惑になる音量になります。

試行錯誤を重ねてたどり着いたのが、次のようなものです。

  1. 巻けるだけ1次巻線数を増やすことで、扱える最大電力を増やすとともにひずみ低減設計としました。(例としてLUXのOY型トランスはこの方向の設計で、30W容量にもかかわらず1次巻線はφ0.16で他メーカーよりたくさん捲き、最大磁束密度を下げました。ただ、30年後、1次巻線の断線が頻発したのは仕方ないことでした。OY型トランスの優秀な音質は現在でも高い評価です。)
  2. 2次巻線はバランス増幅に適合するとともに4パラレル方式としました。
  3. 結果的に1次インピーダンスは15kΩ程度となり、採用する3極管接続真空管のひずみが少なくなるようにしました。

そして、タムラOBのトランス達人Y・Yさんに作っていただき、このトランスを搭載したパワーアンプを写真に示します。

電気的特性とその音質

製作したアンプの真空管構成は6V6GTpp+5963+ECC81として、無帰還(NON NFB)とした。取り出せたパワーは3W+3Wで、音量は充分取れました。周波数特性は20-100kHz(-1.5dB以下)とワイドレンジです。ひずみ特性も100Hz、1kHz、10kHzともに良好で、かつ残留ノイズも無帰還にもかかわらず、0.5mV以下に収まりました。
次はヒアリングです。スピーカーは相変わらずTANNOYアーデン(アルニコ仕様)です。ヒアリングに使用した音源“ステレオ”誌の付録のCD(ジャズ、ギターソロ)のサウンドが素晴らしく、リアルなので最近よく使います。
オーディオ評論家として活躍の石田善之さんが録音を担当したもので、マイク選択のセンス、セット位置が素晴らしいせいか、他のメジャーCDの音源とは異なるリアルさです。おそらく、これらの楽器を至近距離で聴いたら、このようなサウンドになることは過去の体験で味わっています。
まず、スタートのブラスセクションの浸透的な響き、瑞々しいサウンドに引き込まれました。それに絡んでくるドラムス、ピアノとの混然一体となるサウンドのなかに各楽器の生っぽい響きは心身を揺さぶりました。おそらく、自己陶酔、達成感による要素もあると思いますが、明確に、これまでの真空管アンプサウンドと違うのは事実です。

これからの製品化について

3Wでも十分な音量が取れて、かつ、お買い求めいただき易い価格のバランス増幅真空管アンプを、近々発表することを予定しています。

パーマロイコア採用の小型出力トランス

パーマロイコア採用の小型出力トランス

パーマロイコア採用の小型出力トランス


コンサートサウンドとオーディオサウンド

ここ2年、“ミューザ川崎シンフォニーホール”が、主にコンサートに通うホールになっています。
その間、東京芸術劇場(池袋),墨田シンフォニーホール,オペラシティコンサートホールには出かけていました。サントリーホールはここ3年くらい行っていないです。
ミューザ川崎は、東日本大震災でホール天井が落下したことで有名になりました。このホールはベルリンフィル,ウィーンフィル等のメジャーオーケストラがサントリーホールと並んでコンサート会場とすることで分かるように、高く評価されているようです。
このホールに私は前列2列,8列,2階5列,3階右側,それに2階アリーナ席といろいろ聴いてみました。また、リハーサルも聴きに行き、200名程度の観客での響きの豊かさも体験しました。

私の感じたホールの特長

  • 演奏スペースの高さが低く、観衆からの目線を上げずに、一体感があるのが好ましいです。
  • ホール全体の響きが明るく、軽やかで、重苦しさがありません。レコードで聴くベルリンフィルハーモニーホールのような響き具合を感じます。
  • ここ2回、2階アリーナ席で聴くと、オーケストラとの一体感が得られ、指揮者の指揮振りと団員の反応がつぶさに見られるのは収穫です。

コンサートサウンドとオーディオサウンドとの違い

  • 当然ですが、Dレンジの差はどうしようもありません。アリーナ席、1階、前列では、オーディオメーターで測定したわけではありませんが、ピークで110dBは超えているでしょう。無音時での騒音レベルは50dB程度かとも思います(隣席の方の息遣いが聴こえる)。Dレンジは60dB以上ありそうです。この大音響を体に浴びる爽快感はコンサートの良さです。ちなみにスピーカー測定に使用される無響室の無音レベルは25dBくらいです。
  • 一方、私は必ず10分程度、目を閉じて(視覚をなくして)、聴いてみることにしています。やはり、人間の情報収集力は視覚情報が80%以上です。
    かつて、オーケストラの楽器配置が左~センター~右の音場展開は高域~中域~低音域になるように第一バイオリン,第二バイオリン,ビオラ,チェロ,その後ろにコンバスとステレオ音場を認識しやすかったのです。周波数バランスも気持ちよく聴けたのですが、近年、右側にビオラが来て、チェロが中央よりに入って、音域バランスが我々オーディオファンから乱れたバランスに聴こえるのは残念です。
    その状態で目を閉じて聴いてみると、確かにFF時のサウンドレベルの大きさには、とてもオーディオ機器とリスニング環境では再現できませんが、通常演奏レベルの音質・音調はコンサートと私のリスニングルームでも差異はそれほどないように感じています。むしろ、オケから離れた席で聴くより、細部の楽器展開はオーディオリスニングのほうが良好に聴こえます。
    従って、コンサートに行く意味は20%の聴覚情報より、80%の視覚情報を味わうように感じます。ここ2回ほど、2階アリーナ席で聴くと10mくらいの距離で指揮者の指揮ぶりがオケサイドからすべて見られます。どのタイミングでオケが指揮者についていくか?オケとオケ団員との相互のやる気が何となくわるような気ががします。

コンサートに行く意味

クラシックコンサートでは、視覚/聴覚とによって、会場で感動を共感でき、充足感を得ることができることは大きな意味があります。スピーカーを使ったライブコンサートではそのサウンドはCDで聴いた方がはるかに良好なサウンドで聴けます。けれども、やはり、主に視覚情報により、みんなで感激に浸れる一体感は素晴らしいものです。

オーディオ評論家では故、金子秀男さん、山中敬三さんはクラシックコンサートに出かけていました。山中さんはサントリーホールで倒れ、帰らぬ人になりました。菅野沖彦さんはクラシック録音(特に朝日ソノラマ時代)を手掛けていました。
ほかの評論家の皆さんはオーディオサウンドを重要視していたように感じます。
私は共感・感動も大切と思っているので、仕事に差し支えない程度のペース(6回程度/年)で、出かけることにしています。
次は6月11日にミューザ川崎に、また聴きに行きます。何と、アリーナ席は¥2,500という安さです。


絹巻線が見つかりました!

たまたま、パッシブプリアンプ用トランス巻線に適合する太さの絹巻線が1種類のみ、数台分、見つかりました。

絹巻線の用途は、巻線の絶縁材料になる絹の静電容量が少なく、高周波機器のコイルに使われます。
オーディオ用には、特に、実績はありませんし、やってみたとの報告も聞きません。
とりあえず、試作して、ヒアリングしたところ、より静寂なサウンドを感じました。

そこで、興味のある方!
パッシブプリアンプのトランス巻線に絹巻線を使用した仕様品のパッシブプリアンプの注文を数量限定で受け付けます。
なお、電気的性能はオーディオ帯域(10~100kHz)では、巻線種類で差異はありません。

価格は、絹巻き線のタップ配線処理作業に時間と手数がかかりますが、それほどの上昇はありません。
ご興味のある方は、お問い合わせ下さい。

【対象機種】
・CA-777G/AS
・CA-777G/AC
・CA-999FBG/O
・CA-999FBG/P(近日発売予定)

なお、CA-999FBG/ACは、対応する絹巻線の在庫がないので、対応が困難です。


1978年製“サンスイ AU-707”の修理

始まり

2週間前に、TELが鳴った。“千葉市に住んでいるものですが、AU-707を修理したい!“という内容でした。
以前、AU-D707を修理して、うまくそのサウンドは生き返りました。
それから、ずっと、動作しているようです。
今回は、同じデザインですが、1978年に製造年が遡ります。うまく、直るかどうか?特に、修理部品の入手に心配がありました。
お客様には、大分、年月が経っているので、保存状態が悪いと治らない場合もありますと、説明すると、部屋の中に置いていたので、保存状態は悪くないということでした。

持ち込み

2日後、修理依頼された方が車で、AU-707を運んできた。“若いころ(20才代)、やっと貯めて買ったオーディオは、アカイのデッキとAU-707でした!”と言うお話で、廃棄するには忍びなく、最近、世間がアナログレコードを取り上げる様になってきて、急に、アナログレコードを聴きたくなったそうです。“症状は?”と聞くと、“電源が入らない!”ということでした。
持ち込まれたAU-707は予想よりきれいな状態で、ボンネットを開けると、ほこりが少ない良好な状態でした。

修理

1次電源関係の故障

1次側の100V電源回路をチェックすると、導通がありません。電源ヒューズをとチェックすると、導通があります。まさかと思って、電源スイッチをONしても、導通がありません。電源スイッチの不具合です。交換が必要ですが、AU-707はレバースイッチで、現在、まったくと言ってよいくらい存在しません。まして、AU-707用は、他のAU-707から部品取りして、交換する以外ありません。在庫、部品箱をひっくり返して、探すと、やっと1個、見つかりました。
“しめた!”これで、電源が復旧すると、アンプのフロントパネルを外して、交換しました。電源スイッチのON/OFFで、ラッシュ電流が流れるのを軽減するために、修理する間はスライダックで電源電圧を上げてショックがでないように心がけました。また、電源ON/OFFのスパーク軽減に0.01μFのコンデンサを外して、新たに0.1μ+120Ωのスナバ回路を付けました。このほうが、効果があるのです。

プリアンプ回路の修理

次に、電源をONして、プロテクション用リレーがONするかどうかをチェックすると、これはONします。さらに、スピーカー端子、RCA端子にケーブルをつないで、発振器入力を加え、アンプ出力を診てみます。
リレーがONして、片側Rchの出力が出てきました。Lchは出ません。
どこから出力は途絶えているのかの探索です。
アンプを開けて、シールドカバーを外します。入力から、オーディオ信号の流れを追っていきます。まず、入力セレクターの接触をチェックします。これは、OKでしたが、念のため、切替操作を繰り返し、そして、接点復活剤を振りかけてさらに、動かして、接点をクリーニングします。
ようやく、信号がL/R揃って出てきました。これで良いわけではなく、出てきた信号のひずみ測定することが必要です。接触ひずみがあると、ひずみ率は0.5~0.8%も2次高調波を中心として悪化します。この部分はOKになりました。
次に、トーン/ラインアンプ部分のチェックです。マスターボリュームの入出力は、OKでしたが、マスターボリュームのクリーニングをおこなっておきました。
さらに追っていくと、ラインL側の出力レベルが不安定です。トランジスタの水分侵入による劣化が予測されるので、交換。さらに出力コンデンサも交換。プリント基板全体のパターン面を再ハンダ。今度は、ラインアンプとパワーアンプ間の接続部です。当時のプリメインアンプはプリアンプ部とパワーアンプ部とは分離されるのが常識でした。
この接続スイッチの接触が不具合、信号がパワーアンプ部に伝わりません。そこで、切替スイッチを経由せず、ダイレクトに信号が伝わるように接続を変更。これで、入力からパワーアンプ部の入力部まで、良好な動作となりました。

パワーアンプ回路/プロテクションリレー部の修理

最初からプロテクション回路は良好で、リレーはONします。さらに、DCオフセットは正常に変化して、調整可能です。けれども、経年劣化を考慮して、半固定ボリュームを交換、次に、アイドリング電流調整も正常ですが、これも、半固定ボリュームを交換。ありがたいことに、このサイズの半固定ボリュームはまだ、入手できるのが幸いです。近い将来、このサイズのものは無くなるでしょう。
これでうまく動作するかを考え、スピーカー端子からの信号をチェックしてみます。信号レベルがL/Rに2dB程度のばらつきがありました。
これはパワーアンプ部の不具合か、それともリレー以降の不具合だろうか?
また、ひずみ率を測定すると、0.8%もあります。
試みに、音楽を通して、聴いてみると、ややひずみが多い音です。これはリレーが原因と推測し、リレー交換することにしましたが、この大きなサイズで、プリント基板タイプのリレーは入手不可能です。そこで、現在使われるサイズで、接点性能に定評ある数少ない日本製に交換することにしました。AU-607/707の構造で問題点はここで、サービス性が良くないのです。
プロテクション部のプリント基板をやっと外し、リレー交換。
そこで、改めて、ひずみ率を測定すると、0.015%と、ほぼ発振器レベルにさがりました。これで修理は完了かと考え、エージング試験に取り掛かりました。けっこう、良い音です。ところが1時間後、RCHから、“バツッ”という瞬間的なノイズ!これではだめ!
少し、気持ちが下がって、パワーアンプ部のユニットをL/Rともに外し、不具合部を探すことは、NFBが掛かっているので、特定はできません。そこで、電圧増幅用トランジスタをすべて交換、ノイズを出しやすいとされるツエナーダイオードも交換。位相補償用セラミックコンデンサーもすべて交換。
さらに、プリント基板の部品穴部分をハンダ吸い取り器でハンダを取り除き、再ハンダ付け、ここまでやれば、まずは治るはずと、気持ちを持ち直して、組み立て、音を出すと良好、エージングテストも3時間経過でOK。

フォノイコライザーのチェックと修理

お客様はアナログレコードをこれから、また聴きたいということでした。フォノイコライザーは幸い、チェックしてみると問題ありません。けれども、念のため、出力コンデンサとトランジスタを交換、フォノ切替スイッチをクリーニング。これで、良い音でアナログレコードが鳴るはずです。
アナログレコードプレーヤーを接続、カートリッジをエンパイア4000DIIIにして、聴き始めます。アナログレコードはCDのようなぎすぎすしたところがありません。やはり、CDは小音量時、ビット数が減少するので、サウンドが荒くなるのでしょう。いろいろ聴いて、サンサーンスの“交響曲NO.3”
TERACレコードで聴きます。パイプオルガンの地響きするサウンドはもの凄く、さすが、TERACの録音を素晴らしいと再認識しました。
最後に、底板、ボンネット等を取り付けて、フロントパネルをきれいに拭いて、また、エージングを6時間おこない、修理終了となりました。

修理完了

これで、製造後、38年のアンプが生き返りました。私自身、開発設計に取り組んだ関わり合いのある最初のアンプ。大友デザイナーのエレガントなデザインを眺めて、感慨に浸りました。


バランス伝送・増幅におけるプリアンプの意義

電磁波ノイズ対策とバランス伝送・バランス増幅

パワーアンプにおいては、バランス増幅でスピーカーを+,-の両側から(ちなみにスピーカーユニットはフローティング機器で極性がないし、グランド電位もない)ドライブすることは、スピーカーユニットからの逆起電力のコントロールに有益だし、プッシュプルドライブであるから、ユニットへの電力供給能力は高い。その結果、パワフルサウンドが生まれるのだと私は思っています。

それではプリアンプの場合はどうなのでしょうか?プリアンプの負荷はパワーアンプの入力インピーダンスですから、通常、10kΩ以上と高く、電流供給能力は必要ありません。むしろ、ノイズを混入させたり、ひずみを増加させたりしないことが重要です。

近年、スイッチング,インバーター電源や携帯電話の普及で、かなりの電磁波ノイズが、電源から、オーディオ入力へと入り込みます。ところが、電磁波対策を施すと本来のオーディオアンプとしての音質が劣化しやすいことは、電波規格の厳しいCE規格試験対策を施すと体験できます。そのあたりを考慮したりして、いろいろなノイズ抑制アクセサリーが販売されていますが、その効果のほどはいろいろです。

オーディオ信号の伝送には、オーディオでは2~3mくらいの距離なら、RCAケーブルで充分と言われているようですが、近年、バランス伝送が少しずつ普及してきました。
その狙いは100年くらい前に遡ります。

遠距離の電話線伝送(特にアメリカ大陸間電話回線)で、ノイズ混入に悩まされた打開策として、ホット,コールド間のバランス信号にグランドラインを含めた3線式(バランス)伝送で、解決してきました。
また、数百メートルに及ぶコンサート会場(PA/SR)機器間の信号伝送は、バランス伝送が必須です。バランス伝送により、スイッチングノイズや照明機器からのデジタルノイズに悩まされることがないのです。このノイズ排除能力の基本理論は、対グランドラインから伝送ラインの飛び込むノイズ(コモンモード・ノイズ:例えば電磁波ノイズを含む)がバランス伝送では相互に位相が逆になっているので、ノイズを打ち消してくれるのです。少なくとも、バランス受け入力のあるプリアンプはこのポイントでノイズの点で有利です。

次に、アンプに入力されたオーディオ信号も電源からのノイズ(電磁波ノイズを含む)が増幅回路に混入してきます。その影響はとても数値化できるほどの大きさではありませんが、定性的に混入すると言えます。私はプリアンプといえども、バランス増幅して、コモンモード・ノイズを打ち消して、ノイズが発生しないバランス増幅が良かろうと、最近になって思うようになりました。大好評をいただいているバランス型トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999シリーズ”は、単巻トランスによる電圧増幅になりますが、バランス伝送・増幅しているので、この方式も優れた方式と言えましょう。

サンスイのXバランス回路とプリアンプ回路

かつて、サンスイ在籍時、Xバランス増幅パワーアンプ“B-2301”/“B-2201”の製品化を終えて、次はプリアンプの製品化の段階になりました。モデル名は“C-2301”と決まりました。肝心のプリアンプ回路については、“B-2301”/“B-2201”がバランスダイレクト入力・増幅の機能を備え、Xバランス回路の能力を100%引き出すことを目指しました。

そうなると、プリアンプ回路もバランス増幅であるべきであるものの、当時は、Xバランス回路はパワーアンプに搭載するという観念が強く、プリアンプ部ラインアンプ回路構成は、ダイアモンド作動回路でホット側を構成し、その出力をダイアモンド作動回路で反転回路として、バランス増幅をおこなうかたちとして、やむなく製品化しました。
その後、“C-2301”の次期プリアンプ回路は、確か、バランス増幅をやめて、アンプ出力をトランス結合させて、バランス出力を構成しました。

それから、30年近くの年月が流れましたが、つい最近まで、私はプリアンプのバランス増幅はブリッジ回路により、2台のラインアンプでバランス出力を構成し、RCA入力の場合はバランス変換回路で増備せざるを得ませんでした。そうなると、バランス型トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FBGシリーズ”のように、トランス・ダイレクトバランス変換回路がベストと思いました。

プリアンプ用Zバランス増幅回路(PZB)

つい最近、Zバランス回路の負荷抵抗を高くして、測定したところ、驚くほど低ひずみが得られました。また、出力インピーダンスは0.22Ω以下と、パワーアンプ並みの低インピーダンスです。回路常数の検討と電源構成の検討から、プリアンプ用Zバランス回路が完成し、製品化にこぎつけるパフォーマンスになりました。
特筆すべきは、プリアンプ用Zバランス回路はRCA入力、バランス入力ともに、差動入力として動作し、完全バランス増幅・出力とすることができたことです。
前述したように、アンプとして完全バランス増幅するので、コモンモード・ノイズ(電磁波ノイズ等)成分はこのバランス増幅により打ち消しあい、オーディオ信号に電磁波ノイズが混入することは全くありません。
さらに、副次的な特長として、ヘッドフォンのバランスドライブも極めて動作マージンを以て、動作できます。価格の高価なパーマロイ、ファインメット材を使うことがないので、販売価格を引き下げることができ、気軽にバランス増幅サウンドを楽しめます。
どうか、プリアンプ用Zバランス増幅回路(PZB)搭載フルバランスプリアンプ“MASTERS CA-888PZBシリーズ”にもご注目ください。

Zバランスプリアンプ,ヘッドフォンバランスドライブ回路 ブロックダイアグラム
Zバランスプリアンプ,ヘッドフォンバランスドライブ回路 ブロックダイアグラム


ファインメットコアのパッシブプリアンプへの採用検討

経緯

2015年末、あるオーディオファンの方から、“ファインメットコアで作ったトランスを搭載したパッシブプリアンプを製品化できないか?”という問い合わせをいただきました。

MASTERSのパッシブプリアンプ、CA-777シリーズ(「トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-777N/AC”」,「トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-777NS”」など)、CA-999シリーズ(「バランス型トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FBN/AC”」,「バランス型トランス式パッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FBC/O”」など)は評判が良く、サウンド的にも、電気的特性にも優れ、特に新素材コアを採用しようという考えはありませんでした。

熱心に“ファインメットを検討してできないか?”といわれるメールに、私も心が動き、何とかファインメットコアを入手できないものかと探してみました。

製造元である日立金属に当たってみても、ある程度の量でないと購入は難しそうでした。
そこで、トランスコア加工会社を見つけて、その会社でファインメットを入手してもらい、マスターズ向けのコアを入手できないものかと、人脈や、検索をして、探してみました。
ようやく、トランスのタムラと40年前取引していたカットコア加工会社とコンタクトとることができました。

ファインメットコアの入手・試作

さっそく、そのカットコア加工会社にTELすると、社長さんがTELに出てくれました。お話すると、“それなら、少量でも良いから、試作しましょう!”と言ってくれました。
お話を伺うと、コア形状はカットコアになるとのこと。カットコアは磁路がほぼクローズドループになるので、インダクタンスを大きくとれるのでOKと答えました。
けれども、カットコア形状にすることは、ファインメット素材シートをカットコア形状に捲いて、そのあと2分割にカットして、カット面を研磨する手間もかかり、部品コストはかなりアップすると予測されました。
パーマロイコアは非常に高価です。それ以上にファインメットによるカットコア価格は高価な見積りになりました。
そのような状況でも、私は試作することを決意して、少量で申し訳なかったのですが、CA-777シリーズに採用しているトランスコイルに適合する(コア断面積)コアサイズを指定して、CA-777シリーズ2台分のコアを4個注文しました。

年が明けて、2016年2月初旬にファインメットコアが入荷しました。
すぐ、試作しようと焦りましたが、受注残のマスターズアンプの製作にパワーを取られて、試作機を組立て・完成したのが3月末になってしまいました。
なるべく、シンプルにしたかったので、1入力・1出力タイプとしました。
「【写真1】ファインメットコアで作ったトランスを搭載したパッシブプリアンプ試作機」を参照してください。

そのパフォーマンスの評価

電気的特性の、特にコア材の性能が発揮される高調波ひずみ特性を測定しました。

「【図1】MASTERS CA-777Nタイプ 高調波ひずみ率 : コア材による比較グラフ」に示すように、ファインメットもスーパーパーマロイも、極めて低ひずみで、非常に優秀です。但し、低域に関しては、ごくわずかに、スーパーパーマロイのCA-777Nのほうが低ひずみです。どちらも、非常に優れています。

ちなみにオリエントコアと比較してみると、中域から低域にかけて、上記2つのコアに比べてひずみが観測できるのは、オリエントコアは高磁束密度の動作領域では優れているものの、透磁率では、ファインメットやパーマロイに及ばないので、そのような結果になると思われます。

磁性体については、透磁率という言葉がよく出てきます。これは磁界において、磁化特性の鋭敏さを表すと言われますが、オーディオ機器においては、どのような特性に反映するかはあまり解説されていないようです。
透磁率が高いことは、それだけリニアな特性を示すと言っても良いでしょう。その成果は、低ひずみ特性を示すと結論づけても良いでしょう。

ファインメットコアは、低ひずみであり、透磁率が極めて高いですが、パーマロイより高い磁束密度動作領域でその優秀が発揮されるようです。
「【図2】トランスコア材による磁化特性の違い: 概略比較データ」を参照してください。

スーパーパーマロイは飽和磁束密度がファインメットに及ばないものの、その透磁率は低磁束密度領域では透磁率がファインメットより高く、ひずみ特性はもっとも優れた性能を示していると思われます。

結論として、ファインメットはある程度、透磁率が高く、飽和磁束密度も高い、バランスのとれた磁性体と言えます。オールラウンドで優れた性能を発揮する新素材と言えます。
一方、スーパーパーマロイは高い透磁率特性を生かす用途では最も優れた磁性体と言えます。

ヒアリング結果

ファインメットコア試作機

どちらかと言えば、その音調は暖色系、そして繊細であり、分解能に優れ、かつ、迫力があります。エネルギーバランスはフラット感であり、そして低域再現も見事です。広がり感、奥行感も充分です。
オケ,合唱,オペラ,ビッグバンド再生にも充分なパフォーマンスを示しました。もちろん、その静寂感は素晴らしいです。

スーパーパーマロイコア:CA-777N

ファインメットコアと比較すれば、音調はわずかに寒色系、繊細でありその分解能は見事につきます。低域感は、よく聴いてみると充分に再生していると認識できます。広がり感、奥行感の再現が素晴らしいです。
そして、静寂感の再生はトップと思います。どのような高S/N比のアンプでも、このローノイズ感は実現できないでしょう。
ジャズトリオ,ボーカル,室内楽,ギターソロなどの音源には最適でしょう。

オリエント試作機

その音調は、パワフルで、音楽をガンガン聴きたい方には最適です。もちろん、通常のプリアンプよりローノイズで、混濁感のないことはパッシブプリアンプのもっともすぐれた性能です。

結論

通常のプリアンプはノイズ発生に加え、電磁波ひずみの混入問題があり、良いアンプ設計、製作に考慮が必須な事項です。

今回の検討により、ファインメットコア搭載のマスターズのトランス式パッシブプリアンプの製品化を計画致します。ご期待ください。

参考情報

トランス巻線の基本式を載せておきます。
トランスの巻数を決める数式は以下のようになります。
N=E÷(4.44×A×B×f)
但し、N:巻数,E:印加電圧,A:コア断面積,B:最大飽和磁束密度(設計設定値),f:周波数

上記の式から、コアを大きくするか、飽和磁束密度が大きくとれるか、使用する最低周波数を高くできるかすれば、巻数は少なくてすみます。
身近なところでは、60Hz地域では、電源トランスの巻数は50Hz地域に比べて、巻数は少なくてすみます。ですから、世界の大多数の国では、商用電源電圧は60Hzが標準になっています。


ファインメットコアで作ったトランスを搭載したパッシブプリアンプ試作機
【写真1】ファインメットコアで作ったトランスを搭載したパッシブプリアンプ試作機

高調波ひずみ率 : コア材による比較グラフ
【図1】MASTERS CA-777Nタイプ 高調波ひずみ率 : コア材による比較グラフ

トランスコア材による磁化特性の違い: 概略比較データ
【図2】トランスコア材による磁化特性の違い: 概略比較データ


2016年を迎えて~昨今のオーディオ事情とマスターズアンプのこと~

皆さまのおかげで、2016年を迎えることができました。
2016年も引き続きご愛顧をお願い致します。

昨今のオーディオ事情

オーディオ誌をご覧になっている方、円安傾向になって以来、円安の程度を超えて、輸入オーディオコンポの価格がひどく高価になってきました。輸入代理店は、海外メーカーの輸出価格の上昇もあると理由付けしています。¥100万円のコンポでもエントリークラスという有様です。
加えて、グローバル環境に対応するということで、日本のオーディオコンポ、とりわけ、カートリッジ、トーンアーム等の価格も異常に高価です。\70万を超えるカートリッジも販売されています。
高価な値付けでも強気なのは、中国のオーディオファンの爆買いがオーディオにも及んでいるからのようです。さすがに、輸入オーディオコンポの売れ行きは低落傾向で、この事態を憂慮した大手輸入代理店は一部海外コンポの値下げを11月に実施致しました。
一方、中古オーディオ品は、その価格から、程よく売れているようです。但し、ヤマト運輸が、スピーカー輸送事故の多さから、メーカー本箱品以外はスピーカー宅配引き受けを取りやめており、やむなく、ピアノ運送で運んでいる状況です。当然、輸送コストはそれなりにかかります。

マスターズアンプのこと

少し、話題が我田引水になることをお許し下さい。

コストパフォーマンス

マスターズ製品は相対的に安価です。これは、マスターズアンプを製作・継続できるだけで、利益は充分と私が考えているので、少しでもお安く提供するように、かつ、ユーザーさんの負担を軽減できるように考えているからです。

電源部の重要性

オーディオアンプは電源が重要ですし、問題点でもあります。その理由は、オーディオアンプの基本原理は、電源エネルギーをオーディオ信号で変調して、オーディオ信号を増幅して、スピーカーから音を出すからです。(Dクラスアンプは高周波で電源をスイッチングして、LCフィルターでオーディオ信号をろ過して取り出します。)
従って、リップル(整流しきれない交流成分)や電磁波ノイズがアンプ供給する電源成分に少しでも混入しては、著しくサウンド品位を落とします。
けれども、実際にはリップル成分がない電源を用意することはやさしいことではありません。交流電源からDCに整流する際、従来の回路ですと必然的にリップル成分、電磁波ノイズ成分がグランド回路に流れ込みます。
この大問題を解決するのが完全バランス増幅回路です。
具体的には、アドバンストZバランス増幅回路では電源回路がバランスフローテイング回路となっていますので、パワーアンプからスピーカーにリップル成分が流れ込むことが原理的にありません。
通常のハーフブリッジアンプでも、マスターズが採用しているXカレント回路にしますと、上記のような問題からフリーになることができます。
また、究極の方法として、電源電圧に12Vと制限がありますが、バッテリー電源駆動は清澄なサウンドが得られます。但し、バッテリーの電源供給能力は車用で100A以上ありますから、絶対にショートさせない注意が必要です。
Zバランス回路アンプをバッテリー電源駆動の場合でも、清澄さでは、交流電源からの整バランス電源方式よりもバッテリー電源が上回ります。

トランスのこと

トランス採用のパッシブプリアンプは大好評をいただいております。
通常のAC電源を採用したプリアンプとは決定的に違うサウンドです。電源不要ですから、電源や電磁波等による厄介な問題がまったくありません。また、パッシブプリアンプではノイズやひずみの発生がありません。
また、採用しているスーパーパーマロイコアは磁性体そのもの磁化特性が優秀で、ひずみの発生はありません。但し、磁性体は磁化されたときの振る舞いが絶好調になるには、ある程度のエージングが必要です。使いこなすことによってさらにサウンドパフォーマンスは向上します。この現象は、微視的には電子顕微鏡等で微少磁性体(磁区という)のふるまいを観測できるといわれています。

NFB設計

NFBは理論通りに作れば、大変有効です。けれど、現実のオーディオアンプでは、位相とゲインとの兼ね合いで、NFBは高域では位相のずれた形で掛かることになり、正弦波では良好でも、過渡信号では問題を引き起こします。
このあたりがNFBアンプのキーポイントです。
まずはオープンループ特性の周波数・ゲイン・スルーレート(高域パワーバンド)との関係を検討して設計・製作すれば、良好なアンプになります。
また、意外と無視しがちなことは負性抵抗によるアンプの超高域不安定性です。これは負性抵抗を打ち消す抵抗を付加すれば、アンプは安定動作となります。特にエミッタフォロア―回路には負性抵抗打消し用エミッタ抵抗付加は必須です。


フルバランス増幅ステレオプリメインアンプ“MASTERS AU-999ZB/AC”の電気的性能とパフォーマンス

経緯と概要

これまで、アドバンストZバランス回路搭載アンプは、フルバランス増幅ステレオパワーアンプ“MASTERS BA-999ZB/A”,フルバランス増幅モノラルパワーアンプ“MASTERS BA-999ZB/MA”で好評をいただいております。
新製品として、この回路を搭載したプリメインアンプを発売致しました。
ご承知のようにフルバランス増幅ステレオプリメインアンプ“MASTERS AU-999ZB/AC”は完全バランス増幅アンプ、パワーも30WとMASTERSアンプとして、それなりにハイパワーです。
電源部はメイン電源がL/R、2トランスによるバランス電源となって、パワーステージに電力を供給しています。プリドライブ(電圧増幅)段は専用の別電源、トータル3電源トランス方式となっています。
内部は大型ヒートシンク2個、3トランス、ケミコン、ダイオード、4連ボリウム等でぎっしり詰まった充実の内容です。
また、形状はセットしやすいように幅の狭いスリムタイプ形状のスタイルになっています。

電気的性能

周波数特性、ひずみ特性、共に素晴らしく、ワイドレンジ、低ひずみとなっております。また、残留ノイズは増幅率が23dBあるにもかかわらず、120μV(LPF:80kHzフィルターのみで測定)と低く、さらに、DC安定度は抜群で変動しません。(サンスイXバランスでは、3段増幅回路であるので、どうしても、3段目のDC変動は少しあります。)
スルーレートとは高域周波数において、どこまで再生できるか、高域パワーバンドを示すもので、むやみに高くする必要はありません。但し、スルーレートがものすごく高くても安定にNFBが掛かるというのは優れたアンプ回路ということができます。電気回路ではNFBを深くするとスルーレートを高くすると発振安定度が低下します。
AU-999ZB/ACは、半導体アンプとしては少量NFB(30dB程度:通常の半導体アンプでは50-60dBもかける)、比較的高いスルーレートを得ることができています。
結果的にモノラルアンプのBA-999ZB/MAと同等な性能を得ています。

そのパフォーマンス

最近、出来上がったAU-999ZB/ACを、エージング兼ねて聴き始めました。まず、気が付くのがサウンドの分解能の高さです。オーディオ/音楽信号が多量にインプットされても、まったく混濁せず、それぞれの音楽情報が聴き分けられます。また、改めて、音楽情報が持つパワフルさを感じ取ることができます。また、少しだけ寒色系と感じられるのは、MOSFETがこれまで採用していた東芝2SK5405/J115からルネサス(旧日立)2SK1059/J160になったこともあるのでしょう。
東芝、ルネサスのMOSFETは電気的性能にはほとんど同様ですが、製法、ペレット構造が異なるので、微妙にサウンドは頃なるようです。ちなみに、私の感じ方では、東芝は華やかなサウンドに聴こえます。

AU-999ZB/ACはジャス、ロック系音楽ではパワフルに、クラシックでは細部の音を聴きとりながら、パワフルに聴けます。バロック、ギター等に歯切れと清澄感が重要な小編成音楽も充分すぎるほど楽しめます。

BA-225MOSy等のバランス増幅アンプのアップグレード

アドバンストZバランス増幅回路へのアップグレードも受け付けております。
是非お試しください。さらにフレッシュサウンドが楽しめます。


日立(現ルネサス)高性能MOSFETによるZバランスアンプ

このところ、Zバランスアンプやバランスパッシブプリアンプのご注文が多く、最近のDAコンバータにバランス出力を装備した機種が増えてきたことと、やはり、バランス増幅によるサウンドを支持する方が増えてきたように思えます。最近のヘッドフォン、さらにはMCカートリッジのバランス伝送・増幅が注目されるようになってきました。

さて、マスターズではMOSFETデバイスとして、東芝2SK405/2SJ115を採用してきました。
このたび、旧日立(現ルネサス)のMOSFET、2SK1056/2SK160のコンプリ・ペアの組み合わせによるZバランスアンプの試作をおこない、良好な結果を得ましたので、ご報告すると同時に、この組み合わせをご希望の方に対するご注文をお受けいたします。

なお、マスターズアンプのユーザーの方で、MOSFET交換希望の方への対応も致します。良心的な料金でおこないますので、お問い合わせください。

2SK405/ASJ115と2SK1056/2SJ160との特性比較

デバイス 耐圧 Idmax Pd Cis 外形
2SK405 160V 8A 100W 430pf TO-3P
2SK1056 120V 7A 100W 600pf TO-3P
2SJ115 -160V 8A 100W 800pf T0-3P
2SJ160 -120V 7A 100W 900Pf TO-3P

ちなみに銘品と評価された日立2SK175/2SJ56は、耐圧±180V、Idmax8Aと高いですが、入力容量(Cis)は800pf,1200pfです。従って、2SK1056/2SK160は入力容量が東芝と同じ程度に改良されています。
電気的にはそれほどの違いはなく、同じ回路で、一部定数を変更することで動作します。
オーディオは面白いもので、そのサウンドは微妙に違います。
どちらかというと、2SK405/2SJ115は華やかで、暖色系であるの対し、2SK1056/2SJ160は寒色系で、引き締まった感じを受けます。
けれども、この感想は私個人のものなので、興味ある皆様にこのあたりは楽しんでもらいたいと思っています。
ルネサスの2SK1056/2SJ160も製造完了と思われ、市中在庫のみになっています。

ルネサス 2SK1056/2SJ160
ルネサス 2SK1056/2SJ160


新開発アクリル仕上げフロントパネル採用ケース!

アクリル仕上げフロントパネル採用ケースを開発致しました。

デザインスケッチと、試作機の写真を掲載します。

ご覧のように、フロントパネルにグロッシーな輝きと透明さを持つアクリルプレートを取り付けるケースを開発致しました。
同時に、全体の構造もスリムに致しました。
特に、フロントパネルの美しさが長期間保たれるケースです。

今後、このケースを採用したアンプを発売予定ですが、アンプ価格は現在とほぼ同一となるように検討しております。

新開発アクリル仕上げフロントパネル採用ケース デザインスケッチ
新開発アクリル仕上げフロントパネル採用ケース デザインスケッチ
フルバランスパッシブプリアンプ“MASTERS CA-999FBN/A”

新開発アクリル仕上げフロントパネル採用ケース 試作機実物写真

新開発アクリル仕上げフロントパネル採用ケース 試作機実物写真
新開発アクリル仕上げフロントパネル採用ケース 試作機実物写真
Xカレント回路採用プリメインアンプ“MASTERS AU-777X CUSTOM”

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