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イシノラボ/マスターズ店長の連載

第2弾 オーディオアンプ講座

第3章 電源部 - 整流方式 (続き)

倍電圧整流

倍電圧整流方式には半波と全波回路がありますが、電源利用率の良い全波倍電圧方式について記述します。

【第11図】に示す回路が基本となります。ダイオード2個、コンデンサー2個で、トランス巻線AC電圧の2.828倍(理論無負荷時)のDC電圧が得られます。

【第11図】倍電圧(全波)整流基本回路
【第11図】倍電圧(全波)整流基本回路

30年くらい前は真空管アンプの電源トランスに良く採用されていました。
具体的には、電源トランスの巻線電圧を150Vとすると、整流後のDC電圧は400V程度が得られます(もちろん、電源電圧の電流容量と必要な真空管アンプの電流が適切に設定された場合です)。
メリットとしては、整流コンデンサーの耐圧を低くすることができ(250V耐圧)、211/845などの高圧3極管のプレート電圧は1000Vになるので、倍電圧整流が採用されます。具体的には630V耐圧ケミコンが採用されます。

【第12図】に具体的な回路を示します。

【第12図】倍電圧電流で、高圧3極管にプレート電圧を供給する
【第12図】倍電圧電流で、高圧3極管にプレート電圧を供給する

スタックスイヤーSPの振動板バイアス電圧供給にはよく採用されます。
【第13図】に具体回路を示します。

【第13図】STAXイヤーSPバイアス電圧の構成例
【第13図】STAXイヤーSPバイアス電圧の構成例

半導体アンプの電源回路はセンタータップ2電源回路の採用が標準ですが、【第14図】に示すように、倍電圧整流で±2電源が構成できます。

【第14図】倍電圧整流で±2電源を構成する(半導体アンプの場合)
【第14図】倍電圧整流で±2電源を構成する(半導体アンプの場合)

整流回路における電流の様相

具体整流回路での電流の流れる様相を示します。MASTERSでは高性能カレントセンサーがあり、それをオシロスコープで観測し、写し取って、示します。
通常電圧波形は見ても、電流波形は見たことが無い方がほとんどですので、是非、具体的な姿を把握してください。
【第15図】にスタンダードなセンタータップ2電源回路を示します。

【第15図】センタータップ±2電源整流方式基本回路
【第15図】センタータップ±2電源整流方式基本回路

そこの各地点で電流をカレントセンサーで観測した様相を【第16図】に示します。

【第16図】整流電流と電圧との関連図
【第16図】整流電流と電圧との関連図


2019年11月 2日掲載


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