オーディオのイシノラボどっとこむ アンプや真空管などのオーディオパーツの通販サイト!オーディオ機器の修理!

イシノラボ オーディオ関連商品通信販売(オリジナルアンプや、真空管・コンデンサなどのオーディオパーツ)

マスターズ オーディオを含むエレクトロニクス商品企画・開発・設計・製作・販売・コンサルティング・修理・サービス

ホーム  >  店長のブログ  >  Xカレント回路
一言ご紹介
【MASTERSブランド】
AU-900XG/B
AU-900XG/B
“Xカレント回路”搭載!
バッテリー電源/通常電源でも聴けるプリメインアンプ!
人気記事リスト
  1. 最近修理したサンスイアンプについて
    2012年1月12日(木)
  2. トランス式アッテネータ・パッシブプリアンプ MASTERS ATT-900シリーズ
    2010年7月18日(日)
  3. すぐれたロータリースイッチの存在でMASTERSパッシブプリアンプが成立している
    2013年4月6日(土)
  4. 我が家のオーディオ装置から、やっといい音が出る!!
    2011年1月16日(日)
  5. バッテリー電源に使うバッテリーを充電するには!?
    2010年4月6日(火)
  6. パッシブ・プリアンプで体験したこと
    2010年12月31日(金)
  7. 弊社製品の安さの理由とオーディオ機器の価値
    2011年2月12日(土)
  8. カスタムアンプ“MASTERS CA-999FB/super A custom”のユーザー様からのレポート
    2011年6月4日(土)
  9. 昨今のビンテージ真空管事情
    2011年11月19日(土)
  10. 究極のリアルサウンドが聴けるか!マスターズのパッシブ・プリアンプ
    2010年10月23日(土)
  11. 評価の高いプリメインアンプ“MASTERS AU-880L”
    2011年6月26日(日)
  12. 新開発の真空管整流電源によるトランジスタ・フォノEQアンプ
    2012年1月19日(木)
  13. NFBアンプを考えてみよう!
    2013年12月25日(水)
  14. オーディオを節電しつつ楽しむには
    2011年3月21日(月)
  15. ビンテージ管45(直熱3極管)搭載プリアンプ“MASTERS CA-45S CUSTOM”の更なる改善
    2010年9月26日(日)
  16. 真空管パワーアンプ 6AS7Gppアンプ製作
    2010年7月8日(木)
  17. 新開発!Zバランス回路(Xバランス回路の改良版)!
    2012年8月12日(日)
  18. ホーンシステム・ユーザーさんに有益な情報!
    2010年5月22日(土)
  19. 高能率スピーカに最適のアンプとは?
    2012年5月14日(月)
  20. “MASTERS BA-225FB/MOSy”誕生!
    2008年5月6日(火)
  21. トランス式パッシブプリアンプ“MASERS CA-999FBS”を納入致しました!
    2011年9月7日(水)
  22. 300Bを4本採用したフルバランス・プリアンプのカスタム製作
    2008年9月28日(日)
  23. バッテリードライブ・バランス増幅アンプ“MASTERS BA-225FB/MOSyFB”を製作中
    2010年8月18日(水)
  24. 真空管アンプによるフルバランスシステム 試聴報告
    2008年10月7日(火)
  25. バッテリードライブ・MC用バランス増幅フォノイコライザーとバッテリードライブのこと
    2011年8月13日(土)
  26. 特注ミニパワーアンプ“MASTERS BA-350”製作
    2010年7月8日(木)
  27. WestRiverアンプ試聴会レポート
    2010年9月16日(木)
  28. 日立(現ルネサス)高性能MOSFETによるZバランスアンプ
    2015年9月9日(水)
  29. MASTERS BA-225FB/MOSのバランス増幅
    2007年4月8日(日)
  30. がんばろう! 日本。そして、50Hz地域の方は節電しつつ、オーディオを楽しもう!
    2011年4月10日(日)
  カテゴリー ‘Xカレント回路’ のアーカイブ
 店長が日々感じたことを、オーディオエッセイ風に綴ります。開発日誌、コラムなど、様々な内容を情報発信しています。

ブログのホーム


高効率ホーンドライバー用パワーアンプについて

パワーアンプとスピーカーとの関係

パワーアンプとスピーカーとの関係をシンボルに使って、【図1】に示します。パワーアンプは一般的な半導体パワーと仮定します。仮に、接続するスピーカーのインピーダンスを8Ω、効率90dBとします。効率90dBとは、スピーカーに1Wの入力(2.83V/8Ω)を加えたとき、1m離れた時点に発生する音の大きさを音の単位をデシベル(デシベルとは、電話発明のベルのあたまにデシ(1/10の意味))を付けて表します。

音の単位は、フォンということがかつて一般的でしたが、現在ではデシベルで表します。静かな部屋の暗騒音は30dBくらいなら、大変良好なリスニングコンディションと言えます。ちなみにスピーカーの特性を測定する無響室の暗騒音レベルは20dBがやっとです。(厳重な防音設備が施されます。)イシノラボのリスニングスペースの暗騒音レベルを測定してみました。48dBでした。一般的にエアコンをつけると暗騒音レベルは10dB以上、上昇します。夏のオーディオリスニングは不利な条件です。
ところで、90dBの音はかなりうるさい大きな音です。連続音ですと、5秒も続けば近所迷惑になります。
このとき、アンプに必要な入力電圧は、このパワーアンプの増幅率を10倍(20dB)とすると、2.83Vの1/10の0.283Vになります。プリアンプから、0.283Vをパワーアンプに加えればそうなります。
そこで、高効率ホーンドライバーをこのアンプに接続したら、どうなるでしょうか?ホーンドライバーは非常に高効率です。ここでは110dBとします。110dBの音はジェット機離陸を近距離で聴いたことに相当するくらいの大音量です。長時間聴くと、難聴になります。ちなみにオーケストラのFFFでも指揮者の位置で110dBを超えることはありません。例外として、グランカッサの一撃では110dBを超えることはあるでしょう。
“ちょっと待って!”という声がかかりました。“私は1mという近距離で聴くことはないです!”、“スピーカーから4mくらいの距離で聴きます。
110dBという音量は2mと倍の距離で聴くと、6dB下がり、104dBになります。4mとなると、さらに6dB下がって、音量は98dBになります。これくらいの大音量では、少なくとも、難聴になることはありません。それなら、ホーンドライバーから出る音量はもう少し大きくでるようなマージンがあっても良いとなると、1m距離で6dBアップさせると110dB+6dB=116dBの音量になります。ホーンドライバーに入る電圧は2倍になり、電力に換算すると4倍の4Wになります。ちなみにホーンドライバーの耐入力は4~5Wに作られています。パワーアンプの最大出力は4Wもあれば充分過ぎることになります。私は、ホーンドライバー用アンプの最大パワーは2W~3Wが最適と思っています。
ところが、オーディオアンプメーカーからは小出力のパワーは販売されていません。例えば100Wアンプで、ホーンドライバーを動作させることは、ホーンドライバーを破壊させるかも知れない恐ろしく乱暴なことだと思います。

パワーアンプのゲインと残留ノイズの関係

前述の事項をパワーアンプの性能面で記します。10倍(20dB)のゲインを持つアンプに110dBのホーンドライバーを接続すると、少しの入力で、大きな音が出てしまいます。プリアンプのボリウムを少し上げただけでそうなってしまう現象が発生します。それは我慢するとして、アンプのノイズ成分は90dBのスピーカーを接続したときより、10倍(20dB)も大きなノイズが再生されます。これでは、音楽成分にノイズ成分が相対的に大きく聴こえてしまいます。せっかくの高効率もノイズが大きく聴こえてしまっては困りものです。
その解決法は、パワーアンプの増幅度を上がった分だけ下げれば、ノイズ成分は下がってきます。簡単で多くの場合、なされる方法はNFB量を増やすことです。NFB量を増やせば、ゲインは下がります。けれども、パワーアンプのS/N比はノイズ成分が下がった分だけ増幅度が下がるので、S/N比(ノイズ/再生信号レベル)は変わりません。
NFB量を増やすことは、アンプ自体(オープンループと言う)の周波数レンジを広げないとアンプとしても発振安定度を悪化させます。具体的には電圧フィードバック方式のパワーアンプでは必要な再生帯域のゲインを維持して、超高域の周波数特性を落とす(位相補償)ことでかろうじて、実用化できています。真空管アンプではNFBループにコンデンサー時定数、出力トランスが入っているので、発振安定度は悪化し、位相補償することでそのアンプの音質が劣化してしまいます。故、上杉氏はNFB量14dBくらい限度という持論で、私も支持します。

半導体アンプは直結回路ですから、すぐ感知できる音質劣化はないものの、位相補償を施しても、どこか音質がイマイチということで、NFB量50~60dBくらいが限度と認識している設計者が多いようです。その面からも著しく増幅度の低いアンプは販売されていないことをみても分かります。市販アンプ自体の増幅度は20dBから30dB、大きくても38dB(65倍)くらいに収束します。

マスターズの考えるホーンドライバー用パワーアンプ

ちょうど、現在製作している上記使用目的のパワーアンプについて述べてみます。バランス増幅アンプで実現させると基本回路はZバランス回路を採用します。そして、このパワーアンプ部の増幅度を18dBとわずかに低くしました。NFB量を多量に増やして、増幅度を下げることはしていません。(この時のノイズレベルは80μV(LPF:80kHz)
そうして、トランス式パッシブプリアンプで高音質を得ているスーパーパーマロイコア採用のマッチングトランスを、パワーアンプとホーンドライバー間に設置することにしました。このマッチングトランスの巻線方法は1次/2次巻線を2本同時に巻くバイファイラー巻きを施して、かつ、巻線比は3:1としてあります。(【図4】参照)
ホーンに掛かる電圧は1/3に低下しますから、マッチングトランスによる増幅度の低下は9.5dBになり、このパワーアンプの仕上がり増幅度は18-9.5=8.5dB(2.68倍)となり、高効率ホーンドライバーを動作させるには具合の良い増幅度になります。ですから、プリアンプのボリウム位置は少し回して大音量になることなく使いやすくなります。(0.283÷2.68≒0.11V入力で、90dBの音が出てくる。)そして、ノイズレベルは80μ÷3≒26μV(LPF:80kHz)と超低ノイズのパワーアンプができます。(【図5】参照)
さらに良いことに、ホーンドライバーのインピ―ダンスは8Ωですから、パワーアンプの負荷インピーダンスは8×3×3=72Ωなります。このパワーアンプは負荷抵抗72Ωなりますから、パワーデバイスに流れる電流が同じ分だけ減少し、MOSFETのリニアリティ(ひずみ)がアイドリング電流を増やすことなく改善されるAクラス動作になっています。
最大パワー電圧はトランスなしの直結条件では8Ω/14V出ますから、計算上14V÷3≒4.67Vになりますが、負荷抵抗が大きくなる分、アンプ電源供給電圧の低下が少なくなるので、実際は5V以上(3.12W)出ます。
パワーが下がった分、ホーンドライバーにとって安全になり、さらにマッチングトランスによりDC成分はホーンドライバーには加わりませんのでさらに安全になります。
もちろん、そのサウンドはTANNOYアーデン(93dB効率)で聴いてみました。混濁感は全くなく、澄み切ったサウンドが出てきました。
まだ、実験していませんが、電源をバッテリーにすればさらに素晴らしいサウンドのアンプになるでしょう。
最後に、アンバランス増幅で制作するときは、Xカレントアンプを採用すれば、同等の優れたアンプができると思います。その費用はバランス増幅アンプに比べてお安くなります。
ニア・フィールドで聴きたい方にもお勧めです。(【図6】参照)

【図1】パワーアンプとSPの接続

【図1】パワーアンプとSPの接続

【図2】パワーアンプ、ホーンドライバ、リスナーとの関係

【図2】パワーアンプ、ホーンドライバ、リスナーとの関係

【図3】Zバランス増幅アンプとスピーカの関係

【図3】Zバランス増幅アンプとスピーカの関係

【図4】Zバランス増幅アンプとホーンドライバとの間に挿入されるマッチングトランス

【図4】Zバランス増幅アンプとホーンドライバとの間に挿入されるマッチングトランス

【図5】ホーン、ドライバとリスナー位置による音圧との関連

【図5】ホーン、ドライバとリスナー位置による音圧との関連

【図6】Xカレントアンプによるホーンドライバを構成する方式

【図6】Xカレントアンプによるホーンドライバを構成する方式


プリメインアンプ“MASTERS AU-888TR/L custom”が完成

ホームーページの特別ご提供品に、プリメインアンプ“MASTERS AU-888TR/L custom”を掲載いたしました。
既にこのアンプが完成しましたことをお伝えいたします。

Aクラス用マッチングトランスを搭載したこともあり、このアンプは割と重く、ぎっしりとした構成になりました。
パワーは充分な12W、マッチングトランス負荷によるAクラス動作では1.2Wと、通常リスニングではうるさいくらいの音量が出ます。

そのサウンドは、なめらかで、パワフルでダイナミック、低レベルの音量でも見事です。
どうしてそうなったのかは、オーディオアンプでは断言できませんが、以下の要因といえるでしょう。

  • 回路(Xバランス回路):料理で言えばレシピ。
  • 部品(サンスイカスタムトランジスタ):料理で言えば、食材。
  • 設計製作者のパフォーマンス: 料理で言えば、シェフの腕前。

聴いて良い(食べておいしい)のかは、ユーザーの好みもありますが、客観的に感じ取ることは可能でしょう。

なお、近郊の方はこちらの工房で視聴することもできます。

※試聴をご希望される方は、必ずご予約をお願い致します。


MASTERS AU-888TR/L custom


MASTERS AU-888TR/L custom


MASTERS AU-888TR/L custom


MASTERS AU-900Xシリーズに台数限定のトランジスタ搭載・新型アンプ登場!

MASTERS AU-900Xシリーズにトランジスタ搭載・新型アンプ登場!

デバイスの違い

これまで、私自身、MOSFETに魅力を感じてきましたが、周囲の声を聞いてみると、“トランジスタサウンドはやや地味かも知れないけど、落ち着きのサウンド!”という声が少し気になってきました。
また、半導体デバイスの入手はますます厳しくなってきています。特に、昔ながらのTO-3タイプのパワートランジスタは、日本での生産が完了してから、すでに40年の年月が流れました。パワー半導体の構造として、メタルで密閉され、かつ内部に乾燥剤が封じ込まれたTO-3タイプは、湿気が入らず、樹脂モールドタイプよりも優れています。けれども、TO-3は見た通り、製造コストが掛かり、かつ、実装するためのヒートシンクへの取付構造が複雑で手間がかかります。
けれども、今でも、TO-3のトランジスタに魅力を感じているオーディオファンは存在するようです。

当社には、多くない在庫ですが、TO-3タイプがあります。従って、限定販売のかたちで、上記シリーズにトランジスタ搭載の新型アンプを発売することを計画しております。

試作検討に成功

昨年末から、トランジスタ搭載アンプに試作検討を継続して参りましたが、1月中旬、新製品として売り出すことができるパフォーマンスになりました。
確かに、出てくるサウンドは“落ち着き、おだやか、深み”があるように感じます。MOSFETのほうが同じ回路において、華やかな印象があります。

電気的性能は同じと言える高性能です。こうなると、少数キャリアで動作するトランジスタと多数キャリアで動作するMOSFETとの物性上の違いによるサウンドの違いは、理論的には説明が付きませんが、オーディオヒアリングでは感じ取れます。

限定発売する具体なアンプについて

まずはXカレント回路でのAU-900Xシリーズのなかで、パワートランジスタ搭載機種を発売します。
最初に搭載するTO-3パワートランジスタは、写真に示すように、サンケンの2SC1586/2SA909を採用します。このパワートランジスタは大型で、耐圧200V、ICMAX:15Aの容量があり、本来は100W級のパワーアンプに充分使えるデバイスですが、あえて20W以下のアンプに有り余るマージンを持って使います。パワートランジスタに詳しいWestRiverの川西氏の、評価高いパワートランジスタです。

いずれしろ、あたらしいMASTERSサウンドに興味を持ってくださる方は、どうぞ注目下さい。

なお、工房において、試作機での試聴は予約いただければできます。
いずれしろ、このデバイスの在庫が少ないので、尽きたときは次のTO-3型トランジスタを採用する予定です。
 
これまでのオーディオ用東芝MOSFET、2SK405,2SJ115搭載アンプの注文は継続して受付けて、製作致します。
 
参考

トランジスタはバイポーラー素子、MOSFETはユニポーラーと呼ばれます。トランスジスタはキャリア2個(ホール,電子)が関係し、ベース付近で再結合し、その弊害のために、高周波特性に限界があり、スイッチング電源にはトランジスタが使えません。MOSFETの世界です。
けれども、オーディオ周波数領域では、充分に使えて、MOSFETが登場した近年でも、オーディオアンプに今なお採用されていますが、生産はかなり縮小されている昨今です。

MASTERS AU-900X/TR

MASTERS AU-900X/TR

トランジスタ採用!Xカレント回路搭載プリメインアンプ“MASTERS AU-900X/TR”のイメージ

MASTERS AU-900X/TR
TO-3パワートランジスタ サンケン 2SC1586/2SA909


Xカレント採用プリメインアンプ“MASTERS AU−900STAX/XHP”のパフォーマンス

新年のご挨拶

2015年を迎えました。みなさん、充実した日々を過ごしていると思います。
まずは、心身の健康です。気持ちの良いサウンドをお聴きになって、すてきな時間を過ごしていただくことを願っております。
2015年もよろしくお願い致します。

オーディオアンプのあるべき姿

昨年は、アドバスドZバランスアンプ、Xカレント電源回路の開発で、“アンプは電源が最重要!”、そして、アンプは“スピーカーのふるまい”を充分考慮して設計しなければならないと改めて感じております。アンプ設計者は、ともすれば、コントロール機能である増幅回路に気を取られ、上記ポイントを忘れがちです。
やはり、電源設計やスピーカー設計の経験を積んで、アンプ設計に係る事が重要と、この年になっても再認識しております。このポイントをベースに今後も邁進したいと思っております。

AU-900STAX/XHPについて

ところで、ここ2-3年、STAXのイヤーSPはじめ、ヘッドフォンヒアリングオーディオに人気があります。 
やはり、大きな音で聴けることはオーディオの醍醐味です。けれども、他人に迷惑を掛けず、自分のサウンドワールドに浸れるヘッドフォンリスニングも大きな楽しみです。

特に、STAXのイヤースピーカーの空気感漂うサウンドは素敵です。
このことは静電力(クーロン力)で振動する発音体は動電(ダイナミック)型のような逆起電力が発生しないことに関係があります。
従って、ドライブするアンプのダンピングファクターは、静電型スピーカーにとって、その再生サウンドに理論的には関係がなくなります。
静電スピーカーのダンピングは、振動膜に掛けるバイアス電位によって決まってきます。
例えば、バイアス電位を下げていくと、サウンドは柔らかい感じで少し(2dB:300VDCで)音圧が下がります。逆に、バイアス電位を上げると、振動膜の張力が増し、ダンピングが大きくなります。STAXは長年の経験とノウハウにより、最適バイアス電位を決めていると言っています。
そうなると、STAXイヤースピーカーをドライブすることでの重要ポイントは、振動膜をひずみなく動かすことです。
それは、振動膜を両側から均等に動かす(バランスドライブ)ことなのです。

MASTERSのSTAXイヤースピーカーをドライブできるアンプは、真空管方式と半導体方式とがあります。
コンパクトで、費用セーブできるXカレント採用多用途プリメインアンプ“MASTERS AU-900STAX/XHP”が最近特に人気があります。
ブロックダイアグラムに示すように、STAXイヤースピーカーのドライブ回路はクローズドループで構成され、電源(電磁波ノイズ)、アース電位に影響されることがありません。クリーンなドライブ環境で、STAXイヤースピーカーをバランスドライブします。
また、このアンプにはXカレント回路が組み込まれ、スピーカー再生にも優れたパフォーマンスを示します。また、近年、動電(ダイナミック)型の進歩は顕著で、なかなかのサウンドです。特にゼンハイザーのヘッドホンは発音体の口径が大きく、振動系マージンが充分すぎるほどあり、STAXイヤースピーカーとは対照的な切れ味の素晴らしさを感じます。
このように、多くの楽しみを1台のアンプでできてしまうことは、ハッピーなことと思いませんか!

みなさん、ともかく、楽しく、オーディオに取り組んで下さい。

MASTERS AU-900STAX/XHP”のブロックダイアグラム図
【図1】“MASTERS AU-900STAX/XHP”のブロックダイアグラム図(スイッチは省略)


STAX静電型イヤースピーカーとバランスドライブ

スタックスイヤースピーカーは、みなさんご存じのように静電型スピーカーです。

スタックス工業時代からですと、70年以上の実績があります。また、世界でもオンリーワンと言って良いほど、静電型イヤースピーカーを造り続けている貴重な会社です。

私も、SR-3(40年以上前)時代からの愛用者です。
また、(有)スタックス社長・目黒氏はサンスイ時代からよく知っている仲です。
そのような背景もあって、マスターズでは、10年近く前から、スタックスイヤースピーカーをドライブできるアンプを開発、製品化しております。
特に、イヤースピーカーだけでなく、同時に、通常のスピーカーやヘッドフォンも使える多用途アンプをモデルチェンジしながら、長期間、ご注文が継続しております。幸い、好評を得て、好調な製作を継続しています。

さて、静電型スピーカーの動作原理及び基本構造は、【図1】に示すように、中心に振動膜があり、その振動膜には高圧(300V以上:現在は580V)電圧(バイアス)を掛けておきます。
両側に固定電極(これは音が通るように、穴が開けられて(開口率は高い)が置かれ、固定電極は0Vにしておきます。そうすると、振動膜はクーロンの静電力によって、バイアス電圧に応じて、張力が働き、ピンと張られます(バイアス電圧が高いほど張力は高くなる)。固定電極にオーディオ電気信号を加えれば、振動膜は振動し、音になります。
両側の固定電極にはHOT,COLDのバランス信号が加えられますが、原理的には、片側の電極だけにオーディオ電気信号を加えても音が出ます。
STAXイヤースピーカーは両側の固定電極から、バランス電気信号を加えて、バランスドライブ(プッシュプルすれば、片側電極からは引っ張り、片側電極からは押す力が働き、より振動膜はパワフルに、リニアに、ひずみ少なく、振動して、良いサウンドになるわけです。音圧は6dBアップします。)、静電力は振動膜全体に発生し、ダイナミックタイプのようにボイズコイルに駆動力が働くわけではなく、全帯域にわたって、ピストンモーションが得られます。
静電型スピーカーはこのような動作原理で、品位高いサウンドが出るわけです。

一方、ダイナミック(動電)型スピーカーのドライブはスピーカーボイズコイルには両側(巻始め、巻終わり)に端子(電極)があるのに、通常アンプの出力は片側の電極は接続され、残った電極はグランド(アース)に落としてしまい、いわば片側ドライブになっています。
このことに関して、長年、アンプ技術者、オーディオファンは、あまり問題意識を持たないようです。これは、アンプを電気測定して一応の結果が得られ、スピーカーが動き、音が出ることで、それなりになっているのでしょう。

最近の私の解析では、整流回路を持つアンプは、Xカレントのような工夫を施さないと混変調ひずみが発生することが分かりましたが、このことはほとんど知られておりません。
そのようなわけで、私は、バランスドライブアンプの優位性を主張しますが、アンプを片chあたり倍、必要になるので、費用の点で困難なら、せめて、Xカレント回路を搭載したアンプをお勧めします。
真空管アンプにおいても、せっかくのプッシュプルアンプも出力トランスによって、バランスドライブから、片側(アンバランス)ドライブになっているのはもったいないことです。マスターズの真空管アンプでは、出力トランス2次側で、スピーカーをバランスドライブできるようなバランスフィードバックを施した真空管アンプになっております。

なお、マスターズアンプでの多用途STAXイヤースピーカードライブアンプのブロックダイアグラムを【図2】,【図3】に示しておきます。

静電型スピーカーの動作原理及び基本構造
【図1】静電型スピーカーの動作原理及び基本構造

静電型スピーカーの動作原理及び基本構造
【図2】新開発“Xカレント回路”を搭載!STAXも通常型ヘッドフォンも聴ける多用途プリメインアンプ“MASTERS AU-900STAX/XHP” ブロックダイアグラム

静電型スピーカーの動作原理及び基本構造
【図3】STAXイヤースピーカ/ヘッドフォン バランスドライブアンプ“MASTERS SX-3000BD” ブロックダイアグラム


新開発“Xカレント回路”とは!(詳細説明)

従来回路の問題点

Xカレント回路は、パワーアンプ電源整流回路とスピーカーからのリターン電流に問題点を発見し、その問題解決するものです。
アナログ半導体アンプに興味をお持ちの方なら、パワーアンプの電源回路は【図2】のような構成にほぼ100%そうなっております。
この回路は特に問題ないように理解出来るし、長年、ずっと、現在もハーフブリッジ構成のアンプには採用されております。MASTERS AU-900Lシリーズも同様です。

最近、この回路には、アンプの電源回路において、トランスからダイオードを通じて流れる電流は整流用コンデンサーで交流分は流れ、直流に近くなり、パワーアンプ回路が要求する電流をオーディオ信号としてパワーデバイスに流します。この部分には、交流分が残っていますが、多量のNFBによって、アンプの出力には混入しないとされています。微視的に見れば、混入しています(それもひずみ測定では検出できないレベル)。

次に、出力デバイスからスピーカーボイスコイル+端子から流れる電流はスピーカーを動作させて、-端子から2個のケミコンの中点とトランス整流回路のセンタータップに流れます。
当然、その地点には整流回路の交流分(リップルと言う)とスピーカーからのリターン電流が混在、混変調が生じているはずです(【図3】)。
良く考えるとそうなのですが、私自身もこの年まで疑問を感じなかったのです。バランス増幅回路のスピーカードライブ回路が、上記の混在がスピーカーの-端子側で発生しないメリットは分っていたのですが、ハーフブリッジ回路はそれなりに動作しているから、それで良いのだとして、これまでアンプを設計、製作して参りました。

けれども、最近、上記に述べたような問題点が気になり始め、検討を続けて参りました。

高性能カレントプルーブ(ホール素子)測定器を借りて(【図4】)、上記、混変調現象が、画像に示すように、発生しているのをつきとめました(【図5】)。

ハーフブリッジアンプは、トランス・ダイオード・ケミコンとの整流回路の整流交流成分とスピーカーからのリターン電流とで拡大して推測すれば、おかしくなっているように思います。これまで見過ごされたのは、オーディオアナライザーでアンプ出力を精密に測定しても、差異は検出できないからです。そこで、アンプメーカーでは、いわゆる“ヒアリング”で、いろいろと部品を替えたりして検討してきたのです。
また、アンプをブラックボックスとして考え、電源ケーブルをいろいろと替えたりして、音調変化を見出しているのは、この現象をカバーしようとしていたのかもしれません。

かつて、K社は、この部分をプリント基板上で集中させていました。その流儀がそのブランドのサウンドを作っていたかも知れません。私が在籍していたサンスイ電気では、かなり過去、この問題に気が付き、一時(約1年間)“グランド・フローティング”回路を採用していました。

けれども、Xバランス回路搭載によって、サンスイアンプはこのハーフブリッジ電源問題がまったく無くなり、その後の20余年が過ぎて、消滅しました。

なお、バッテリー駆動アンプは整流回路が必要ないので(【図6】)、中点電流はきれいな電流波形です(【図7】)。
バッテリー駆動アンプは、充電等の取扱いさえ面倒がらなければ、エクセレントサウンドが得られます。

Xカレント回路の構成

  1. 整流回路とスピーカードライブ回路との電流経路とを分離して、整流回路はダイオードと整流専用コンデンサーで直流を創成します。そこは、完全なクローズド回路として、アンプのグランド側とは電気的に分離し、スピーカーからのリターン電流が整流回路に混入しないようにします。
  2. この前提には、アンプ前段(プリドライブ)は別電源で供給する必要があります。そうしないと、アンプのグランド動作起点が決まりません。また、別電源設置により、プリドライブ段はパワーアンプ段の電源変動の影響を受けないので、小音量時から最大出力時にわたって安定した動作ができます。結果として、クリーンな電圧増幅が可能となります。
  3. スピーカーからのリターン電流は、オーディオ回路循環用のコンデンサーをL/Rch別に設けて、出力段のL/R混入も防ぎます。おそらく、測定では検知できないL/Rch間の混変調現象を防止することができるはずです(【図8】)。(ステレオアンプの測定には モノラル信号を両chに加えて測定するので、このような現象を見つけられないのです。)
  4. このようにして、【図1】のようなXカレント回路ができ上がり、実際、4台実施してみて、期待どおりの良い結果が得られました。また、発展形として、整流ダイオードをL/R別とすれば、さらなる好結果が得られるはずです。
  5. これまで、実績から言われていた、プリドライブ電源の分離,L/R2トランスとかモノアンプとかの優位がある程度、理にかなっていることは分かります。整流回路の交流分(リップル)とスピーカーらのリターン電流との混入による混変調は見逃されていたと思います。
  6. より完全なオーディオアンプとしての形はアドバスドZバランス回路ですが、そこまでの構成が費用やスペースの関係で実現できないとき、この新技術は大変有効と思います。
  7. バッテリードライブアンプは、上記の問題が原理的にないので、Xカレント回路を採用しなくともピュア・サウンドになります。さらに、さらにやってみたいと言う方にはプリドライブ段を別バッテリーで駆動する新方式も考えられます。いずれ、実験したいと思っています。

新開発“Xカレント回路へのアップグレード”のご案内

新開発“Xカレント回路”アップグレード受付中!
詳細はこちら

Xカレント回路のブロックダイアグラム図
【図1】Xカレント回路のブロックダイアグラム図

従来の電源回路
【図2】従来の電源回路

従来幅広く採用されている電源・パワーステージ関係図
【図3】従来幅広く採用されている電源・パワーステージ関係図

測定に使用した横河製カレントプルーブ
【図4】測定に使用した横河製カレントプルーブ

混変調現象
【図5】混変調現象

バッテリードライブ電源・パワーステージ
【図6】バッテリードライブ電源・パワーステージ

スピーカーからのきれいなリターン電流
【図7】スピーカーからのきれいなリターン電流

Xカレント回路
【図8】Xカレント回路


新開発“Xカレント回路”とは!

従来回路の問題点

Xカレント回路は、パワーアンプ電源整流回路とスピーカーからのリターン電流に問題点を発見し、その問題解決するものです。
アナログ半導体アンプに興味をお持ちの方なら、パワーアンプの電源回路は【図2】のような構成にほぼ100%そうなっております。
この回路は特に問題ないように理解出来るし、長年、ずっと、現在もハーフブリッジ構成のアンプには採用されております。MASTERS AU-900Lシリーズも同様です。

最近、この回路には、アンプの電源回路において、トランスからダイオードを通じて流れる電流は整流用コンデンサーで交流分は流れ、直流に近くなり、パワーアンプ回路が要求する電流をオーディオ信号としてパワーデバイスに流します。この部分には、交流分が残っていますが、多量のNFBによって、アンプの出力には混入しないとされています。微視的に見れば、混入しています(それもひずみ測定では検出できないレベル)。

次に、出力デバイスからスピーカーボイスコイル+端子から流れる電流はスピーカーを動作させて、-端子から2個のケミコンの中点とトランス整流回路のセンタータップに流れます。
当然、その地点には整流回路の交流分(リップルと言う)とスピーカーからのリターン電流が混在、ミックスされております。良く考えるとそうなのですが、私自身もこの年まで疑問を感じなかったのです。バランス増幅回路のスピーカードライブ回路が、上記の混在がスピーカーの-端子側で発生しないメリットは分っていたのですが、ハーフブリッジ回路はそれなりに動作しているから、それで良いのだとして、これまでアンプを設計、製作して参りました。

けれども、最近、上記に述べたような問題点が気になり始め、検討を続けて参りました。

Xカレント回路の構成

  1. 整流回路とスピーカードライブ回路との電流経路とを分離して、整流回路はダイオードと整流専用コンデンサーで直流を創成します。そこは、完全なクローズド回路として、アンプのグランド側とは電気的に分離し、スピーカーからのリターン電流が整流回路に混入しないようにします。
  2. この前提には、アンプ前段(プリドライブ)は別電源で供給する必要があります。そうしないと、アンプのグランド動作起点が決まりません。また、別電源設置により、プリドライブ段はパワーアンプ段の電源変動の影響を受けないので、小音量時から最大出力時にわたって安定した動作ができます。結果として、クリーンな電圧増幅が可能となります。
  3. スピーカーからのリターン電流は、オーディオ回路循環用のコンデンサーをL/Rch別に設けて、出力段のL/R混入も防ぎます。おそらく、測定では検知できないL/Rch間の混変調現象を防止することができるはずです。(ステレオアンプの測定には モノラル信号を両chに加えて測定するので、このような現象を見つけられないのです。)
  4. このようにして、【図1】のようなXカレント回路ができ上がり、実際、4台実施してみて、期待どおりの良い結果が得られました。また、発展形として、整流ダイオードをL/R別とすれば、さらなる好結果が得られるはずです。
  5. これまで、実績から言われていた、プリドライブ電源の分離,L/R2トランスとかモノアンプとかの優位がある程度、理にかなっていることは分かります。整流回路の交流分(リップル)とスピーカーらのリターン電流との混入による混変調は見逃されていたと思います。
  6. より完全なオーディオアンプとしての形はアドバスドZバランス回路ですが、そこまでの構成が費用やスペースの関係で実現できないとき、この新技術は大変有効と思います。
  7. バッテリードライブアンプは、上記の問題が原理的にないので、Xカレント回路を採用しなくともピュア・サウンドになります。さらに、さらにやってみたいと言う方にはプリドライブ段を別バッテリーで駆動する新方式も考えられます。いずれ、実験したいと思っています。

新開発“Xカレント回路へのアップグレード”のご案内

新開発“Xカレント回路”アップグレード受付中!
詳細はこちら

Xカレント回路のブロックダイアグラム図
【図1】Xカレント回路のブロックダイアグラム図

従来の電源回路
【図2】従来の電源回路


ブログのホーム


Copyright © 2003-2018 ISHINO LAB. © 2003-2018 MASTERS All rights reserved.

Valid XHTML 1.0 Transitional  Valid CSS!   Microsoft Internet Explorer  Google chrome  Mozilla Firefox